今夜星を見に行こう

日本の夜明け

♪風に…


雨〜♪
サザンオールスターズTSUNAMI』より)


というわけでやってまいりました天文部の梅雨合宿。
例年6月の1週目あたりのまだギリギリ梅雨入り前の時期にやることが多いみたいなんですが、今回の場合はなるほど梅雨合宿という名前がピッタリのひどい天気。しかし去年なんて新入生は参加したのは男子2人だったのに今年は軽く10人以上。いやー今年はホント新入生すごいですな。


宿泊先は春合宿でも行った北杜市の『白州・尾白の森名水公園べるが』というネ申施設。春は電車で行ったんですが今回はみんなでバス移動。個人的には電車も好きだけどなんだかんだで荷物が多いとバスは楽です。


まず着いたらそのまま温泉へ。そこでここの自慢の濃い温泉にゆったりと浸かって身体を癒し、一通りあったまったところで再びバスに乗って少し走ったところにあるシャトレーゼ白州工場の工場見学へ。
まぁ最近なにかと流行ってる工場見学。もちろんここではアイスクリームの製造過程を間近に見ることが出来てそれもなかなか面白いんですが、なんといってもシャトレーゼの各種アイスが無料で試食できるという美味しいイベントが(というかむしろこっちが目的かもしれない…w)!!
製造ラインを見渡せる試食場所にはたくさんの試食用アイスの入ったコールドケースが置かれていて実質アイス食べ放題とかもうなんか夢のようなんですけど…!


そんなわけでフルーツバーにソーダバーにバニラバーに黒みつきなこアイスまで計6種類を軽く平らげて満足。え、糖分?カロリー??(∩ ゚д゚)アーアーキコエナイ


さてさてそのあとは再びべるがに戻って、適当に空いた時間でみんなで周囲を散策してみることに。


こもれび
やわらかな木漏れ日。


せせらぎ
森の中のせせらぎ。これ自体は人工的に作られた感じですが、こういう里山的な自然はなかなか心地よいものです。


不思議の国へと続く道
時計を持った白ウサギを追いかけてきたらたどり着いてしまいそうな道。


モリノオト・ミズノオト
そして草や木をかきわけながらその道を進んでいくと、辿り着いたのは不思議の国ではなく尾白川の渓流でした。


尾白川の渓流
よくある山の渓流でも、レンズを少し曇らせて撮ってみるとなかなかにファンタジーな印象に。


翠色の世界
そしてしばらく川で遊んだ後は引き返す。一面に広がる鮮やかな緑色の世界。


もりのこえがきこえる
もりのこえがきこえる。


森の香り
嗅いだだけでリラックスした気分になれる素敵な森の香り。こういうのホント好き。


6月の大自然
森の中を歩いていくと尾白川の堰に。堰の銘板に小学生の字が使われていたのはなかなか興味深かったんですが、そこからの眺めを撮ってみる。逆光写真をHDR風に加工してみるとなんとも絵画的なイメージになります。


群雲
夕方から晴れるという予報通り、雨はすっかり止んでだんだん青空が見えてきました。これは夜に期待がかかります。


おおきなおとをたてて みずが ながれおちている!
おおきなおとをたてて みずが ながれおちている!


エメラルド・ストライプ
実に有意義な散策でした。冬や春の時と違って山の木々がどれも青々としていて実に素晴らしかった。


さて、帰ってきてしばらくした後は一つ上の代である21のコックや食事当番の方々が作ってくれた夕飯で食事タイム!この梅雨合宿は21が企画運営することになっているわけなんですが、初めて参加した合宿が21が既に引退した後の冬合宿だったので21の人が作ってくれた料理を食べるのは初めて。ちなみに今日のメニューは中華丼と、トマトと玉ねぎの入ったスープでした。うまうま。


さーて夕飯も食べ終わったらいよいよ観測…といきたいところなんですが、夜から晴れる予報だったのにまさかの雨…orz
さすがにこれでは何もできないので、とりあえず駒場祭プラネタリウムのソフトの引き継ぎやらいろいろして、雨が止んだ後は同期や新入生のみんなとなんとなく外でダベったり。今年の新入生である23の子達はお喋り好きの子が多いみたい。というかコミュ力高い。
その後立ち話を続けるのもなんだからということで、おしゃれパート(仮称)発足の原点になったあのテラスでBGMを流しながらまたひたすらまったりと話し込んでたり、あったかいコーヒーや持参していったフランス産のワインボトルに入ったスパークリングジュースなんかを飲みつつ楽しいひとときを。星が見えなくてもなんだかんだで楽しめるのがこのべるがの良いところ。


そして夜中も2時を過ぎた頃、ようやく雲に晴れ間が出てきたのでそろそろみんなで観測所に向かうことに。ここの唯一の難点はその観測所まで徒歩20〜30分ほどかかるということだったりするわけですが。。


夏の大三角
この時期最も見やすいのはやはり夏の星座。残念ながら空の状態はあまり良いとはいえなかったんですが、それでも少しは見えたからまだありがたいほうなんだろうか。。もう少ししっかり晴れてると天の川もバッチリ見える…はず。


秋の大四辺形
明け方になると見えて来るのが秋の大四辺形。秋の星座は四季の中でもおそらく最も暗くて地味なのですが、ひとつひとつが特徴的なキャラなのでなんだかんだでそれなりに見てると面白かったりします。


薄明に浮かぶ夏の大三角
で、この6月といえば当然夏至も近くて一般的には『1年で最も日が長い時期』なんですが、これは天文部的には『1年で最も夜が短い時期』。3時頃にもなると徐々に薄明が始まってくるのが分かります。ホントに短いな夜…。結局星座の写真は今回はあまり撮れずじまい。


透明な世界
しかしこの薄明というのは写真として撮るとこれがまた美しいのです。この写真は15秒露光なんですが、こうして長時間露光で撮るとホントに透き通った美しい空が写ります。そしてこの空には木星が明るく輝いていました。


Twilight Jupiter
Twilight Jupiter.


この空の感じを見ているともしかしたら素晴らしい朝焼けを拝めるかもしれない、と期待しながら夜明けを待つ。しだいに東の空に浮かぶ雲が茜色に染まり始めました。やはり夕焼けと朝焼けってだいぶ色が違うような気がします。


ヤシマ作戦
ヤシマ作戦
コントラストと彩度を上げてやるとこんなエヴァっぽい写真に。


そして観測地からべるがに戻る道中で軌跡の一枚が…!




日本の夜明け


日本の…夜明け…。


田んぼに水をひいたあと、稲が大きく育つまでの1ヶ月ほどの間しか撮れない、日本の水田の最も美しい水鏡の風景。


たとえ1泊2日でも、星が見えなくても、
この風景に出会えただけでここに来てよかったと心から思えるような、
そんな美しいワンカットでした。