星座がわからないくらいの夜空を見上げ

富士山とベガと北東の星空

昨日は結局そんなこんなで2時に目が覚めたもののそのまま寝て、次に目が覚めたのは3時半でした。


『晴れてる』


誰かの一言を聞いて急いで準備して外に出たら、さっきまでの天気がウソのように外に広がる満天の星空…!
みんなもう諦めて寝てしまっていたのか、観測地に行っても数人しかいませんでした。そこから三脚を立てて観測開始。


沈みゆくふたご座とかに座、こいぬ座
西の空に沈みゆくふたご座とかに座、こいぬ座
※今日も写真はクリックで拡大できます(・∀・)


へび座・へびつかい座?
『星座がわからないくらいの夜空を見上げ』という歌い出しで始まる『プラネタリウム』なる曲はLaVoceの夏合宿で歌った思いでの曲ですが、実際にそんな夜空で写真を撮ってると家に帰って整理した時に本当に何を撮ったのかが分からないこともしばしば。
この写真もStellariumなる星座盤ソフトを使って必死で探したんですが詳細は不明。なんだろう自信無いけどへび座へびつかい座あたりかなぁ…?


高く上がった北斗七星
昨日とは違って、もう水をすくえないような角度まで上がってきてしまった北斗七星。
それにしても2等星のくせに実は思った以上に分かりやすいのね北極星って。


流星としし座
この小さな写真からでは分かりにくいけど、クリックして拡大してみると真ん中やや右下あたりにうっすらと流星が偶然写り込んでるのが分かります。
流れ星なんて流星群の日ぐらいしか話題に上がりませんが、本当は普段でもまともな星が見える環境で見てると意外なほどたくさんの流れ星が流れてることに気づかされます。実際自分もこの2日間で10個ぐらいは見た気がする。


春の大三角feat.土星(大)
アウクトゥルス・スピカ・デネボラの3つの星からなる春の大三角。そんな三角形の中、スピカの上あたりに割り込んできてる星がJupiter、土星です。


春のダイヤモンドとかみのけ座
その春の大三角ですが、アウクトゥルス・デネボラを結ぶ辺についてスピカとほぼ線対称な点にあるコル・カロリを加えたものが通称『春のダイヤモンド』。
そして写真の真ん中やや右上あたりに細かい星がまとまってる部分がありますが、あれがかみのけ座というマニアックな星座。
しかしこのかみのけ座、知名度こそ低いもののギリシャ時代から伝わる歴史の古い星座で、星座自体がひとつの散開星団からできているんだとか。この星座の近辺には大量の銀河が密集している(ように地球からは見える)ので『宇宙ののぞき窓』とも呼ばれたりするそうです。へぇ〜。


しし座とかに座
何の気無しに撮ったしし座とかに座。


ヘルクレス座とかんむり座(大)
東のほうの空に上がってきたのはヘルクレス座とかんむり座。小さな曲線を描いているかんむり座はぱっと見た時に見つけやすい星座ですね。


富士山とベガと北東の星空(大)
そして明け方前になってきて、東の空の山際のほうに織姫として知られること座のベガが上がってきました。
せっかくなので富士山と絡めて1枚。何気にその右側の雲や左側の立木がいい味を出してくれてます。


さらに東の空には眩しいくらいに明るい星が上がってきました。明けの明星こと金星です。金星って普段街で見てても明るいけどこうやってあらためて見てみるとホントにアホみたいに明るい星ですね。
しかし写真を撮ろうと思ってたらみるみるうちに雲が出てきてあっという間に消滅…orz


木にとまったからす座
というわけで最後に『木にとまったからす座』を撮って終了。天体写真や星景写真もいろんなアプローチでの撮り方があることを実感しました。いやー実に奥が深い。


で、曇ってきたのでバンガローに戻り、ようやくいい感じになったであろう牛スジ大根を温めてその場で起きていたみんなで食べる。醤油とか香辛料ベースで作ってるので思った以上に塩辛い。昨日の残りのごはんがこれほどありがたいとは…!
ちなみに朝起きてきた人のためにこのあとさらに温め直し、ごはんも数合ほど新しく炊くことになりましたとさ。
でも自分は部屋にはこもらず、星が消えた後でも夜明けの風景を撮りに外へ出てみる。


雪化粧の夜明け前
雪化粧をした風景が藍色の静寂に包まれる。


明けの明星
再び姿を現した明けの明星。


夜明けの富士(その1)
実に美しい夜明けの富士山。透き通った空のグラデーションと共に。


夜明けの富士(その2)
右端が朝日に照らされた富士山。やはりいつ見ても美しい山です。

パウダー・スノウ
砂糖のようなパウダースノーを葉っぱにのっけた木々。


そして朝になり、ようやくみんな起きてきて、出発前に荷物の整理や部屋の片付けをして、余った食材の『せり』をして、最後にみんな(実際には全員はいなかったわけだけど)で記念の集合写真を撮ってバスに乗り込む。



バンガローのテラスの手すりには、こんな素敵な置き土産がちょこんと座っていました。




帰りは東名高速で、途中で足柄SAで休憩したりしつつも予定よりだいぶ早く駒場に帰ってきたのは午後1時過ぎ。
成人式には参加できなかったけど、こうして天文部の合宿に参加することでもっと素晴らしい思いでが出来た。
初めて経験したなかなかに本格的なアウトドア生活から現実に戻ってきて、少し見えるものが変わったような気がした。
そしてビル風が吹き抜ける都会の街は下手すると山の中より寒いかもしれない、と同時に思ったのでした。