素敵な七夕

おりひめ&ひこぼし顔合わせ@私市

今日でいよいよ前期終講。もう気がついたら3ヶ月が経ち、その間にどれほどの学力がついたのかは…謎です。いや多分それなりにはついたんだろうけど、即時に目に見えた結果にならないというものが学力というもので。
でも何はともあれ一区切り。高校時代とはうってかわって単調な生活を送ることになったのが退屈になったり、それよりもその単調さに慣れてなんとも思わなくなってしまう自分が許せなくなったり…とまぁいろいろありましたが、ある意味夏以降のほうが受験が近づくにつれモチベーションも上がってくるだろうしグダグダ感は無くなってくるはずなので、今後はそういう心配もいらない…といいんですが。


で、今日は七夕。
授業が終わった後にみんなで焼肉でも食べに行こう!という話が出たものの、あまりに突然で人数が全然集まらなかったらしく結局お流れに。そりゃ数日前から言っとかないと無理っしょ流石に。。
というわけでそのまま家に帰る…かと思いきやよく考えたら七夕というと毎年京阪がなにやら面白いことをやってたはずなので、せっかくカメラも持ってるしということで、最後の地理が終わった後にzumi氏(仮称)と電車に飛び乗って淀屋橋へ。
普段阪急通学している自分にとってはこんな夕方の時間に京阪の上り列車に乗ること自体がまず無かった経験なんですが、どうやら通勤ラッシュが相当なものらしく、うまく混雑を避けたりしつつ行かないと大変なんだとか。
というわけで淀屋橋で飛び乗った出町柳行きの準急はヤバいことになるそうだったので、天満橋快急に乗り換えることに。中之島から来る快急、通勤ラッシュ時間帯にも関わらず到着時の乗車率は座席が一通り埋まる程度。大丈夫なのか中之島線…。。
その後京橋で結構人が乗ってきたもののそれでもまだ快適に立っていられる乗車率。まぁこれなら大したことはない。それにしても3000系に乗るのは2回目なんですが、この車両の独特の雰囲気というものはやはり凄い。静かだし落ち着いてるし上質だし、各社とにかくコスト削減にばかり走る昨今でこれだけのクオリティというのは半端ないですね。こりゃローレル賞を獲得して当然です。


で、枚方市に到着後は交野線ホームへ。待っていたのは普通の10000系。…ですがこんなヘッドマークが付いているわけで。
七夕伝説ヘッドマーク
『ひらかた☆かたの 七夕伝説』


実はこの交野線沿線というのは日本における織姫と彦星の七夕伝説のゆかりの場所とされていて、実際近くには天野川星ヶ丘、星田に逢合橋といったいかにもそれらしい地名が点在しているんですよね。それにちなんで本線から交野線に直通する列車には『おりひめ』『ひこぼし』の愛称が付けられているんですが、さらに京阪は毎年この時期にイベントを開催してるわけです。
たとえばK特急おりひめを臨時運転して、本来なら顔合わせが無いはずの夕方の定期の準急ひこぼしと並ばせたり、さらにそれを引退間近の1900系同士で行ったりとまぁ例によってなかなかマニア心を鷲掴みにするイベントだったんですが、今年は残念ながら1900系は引退してしまったうえに準急ひこぼしは中之島から直通する快速急行ひこぼしと名前を変えて深夜の運転になってしまったので並び自体ができなくなってしまったので、その代わりに『おりひめ』の看板をつけた列車を私市に2時間ほど停めておいて、その間に『ひこぼし』の看板を付けた交野線の定期列車を往復させて何度か並ばせるというかたちに。


まず枚方市を出ると宮之阪までの間に『天野川』を横切り、そこからは私市に向かって住宅地や田園地帯の中をのどかに走ること約15分。途中で『ひこぼし』の看板をつけた10000系とすれ違ったりしつつも終点・私市に到着。当然反対側のホームには『ひこぼし』を待つ『おりひめ』の姿があるわけですが…


京阪10002Fおりひめ深夜急行幕&10006F@私市
幕に注目。到着して見るやいなや深夜急行幕を出してていきなり吹いた。やはりやることがおけいはん
ちなみに聞くところによると、自分が着く前から快速特急幕を出したりいろいろやってたとかなんとか…。


深夜急行樟葉幕
普段は明るい時間帯に見られるはずもない、24時台に一本あるだけの深夜急行。いやまぁ万系がこの幕を出すこと自体があり得ないんですが。どこの車庫公開イベントですかこれは。


おりひめヘッドマーク
このイベントのためだけに作られた『おりひめ』ヘッドマーク。数ある関西私鉄の中でも京阪のこの手のデザインのセンスの良さは目を見張るものがあります。この看板も例に漏れず、流麗で透明感のある美しいデザイン。


さてホームはというとなかなかの人出。しかしどうやら去年までに比べると車種の関係もあってかこれでも少なめだとか。それでも殺伐とした雰囲気は無く終始まったりしていました。
そして待つこと約10分ほどでいよいよ『ひこぼし』の登場です。


京阪10005Fひこぼし@私市
この暗さでも入線の写真がハイズームでまともに撮れるとは…デジイチって最強です。


そのままゆっくりとおりひめの隣に停車して…ついに『おりひめ』と『ひこぼし』のご対面。


しかしこれだけで終わるのが京阪ではありません。
待機していた乗務員さんが乗り込み、おもむろに取り出したるは謎の棒。
はて、これはいったい何をしようとしているのかと思ったら次の瞬間…




京阪10002Fおりひめ&10005Fひこぼし@私市
光った!!


そう、なんとこれは『おりひめ』と『ひこぼし』が3回並ぶうちの、ちょうど薄暮の時間帯になる最後の顔合わせの演出のためにわざわざ用意されたお手製の天の川だったのです。
いやはや、車両こそ去年より地味になったとはいえこの演出にはやられました。『彦星が天の川(天野川)を渡って織り姫に会いに来る』ところまで設定通りだし。
昨今どこも徹底的にムダどころか余裕まで省いてやれビジネスだのやれ合理化だの叫ばれてる時代に、これだけ全力で予想の遥か斜め上を行く遊び心たっぷりのイベントをやってくれる京阪には本当に頭が下がります。いやーやっぱりすごい会社だ。


私市駅の黒板
そしてどこの駅にも置かれているこの黒板も私市駅ではもちろん七夕仕様。


通勤快急おりひめ&快速急行ひこぼし新ヘッドマーク
今日の七夕イベントで発表された、今日(明日)からの"通勤快急おりひめと快速急行ひこぼしの新デザインのヘッドマーク


おりひめ&ひこぼしヘッドマーク展示@私市
さらには歴代の『おりひめ』『ひこぼし』のヘッドマークも展示中。しかしどれをとっても秀逸なデザインです。


当然今日ここに来た目的はこのイベントを見るためだったので、この時点で既に目的達成。もう後は家に帰るだけ…だったんですが、駅の外もなんか賑やかだったので、せっかく来たんだしちょっと見てみることに。


私市駅前にて
駅前の広場は食べ物やらスーパーボールすくいやらの出店がたくさん出ていて、いかにも地元の夏祭りといった感じで。違うといえば地元の野菜や漬け物も売られていたり京阪も自社のグッズを扱う店を出していたりすることぐらいでしょうか。
ここで売られていた水無月というお菓子がなんとなく気になったので買ってみる。100円。
予想外にしっかり冷えていて、抹茶味と餡の清涼感がなかなか美味しい夏のスイーツでした。これはよい。


しかしこの地元の夏祭り的なのはこの私市駅前の一角だけでやっているのかと思いきや、どこからともなく人の出入りがあるようなので、警備員さんにここの他にも何かやってるのか訊いてみたところどうやらしばらく歩いたところにメイン会場があるらしい。…ってここメイン会場じゃないんすか!?
そんなわけで言われた通りの道を歩いて行くと、その脇には竹灯籠が。
かなりぐるっと迂回して歩くと気がつけば天野川のほとりに着いていました。そしてなんかすごい人出…えらいお祭りですな。
屋台にも長蛇の列が出来ていて、そこで売られていたクレープが美味しそうだったので思わず買って食べてみる。てかクレープたったの100円ってどう考えてもお祭り価格じゃないwww
クレープの生地にベリー系のジャムを挟んだだけのシンプルなものだったんですがなかなか美味しかったです。


で、このメイン会場では何をやっているのかというと…どうやらこれは予想以上になんか凄い。


1.5kmほどにわたって笹飾りのほかに竹灯籠1000基に灯籠いかだ、さらには5000個の紙灯籠を並べるというもので、それを川の上から眺めるとなんとも幻想的なのです。


天の川七夕まつりにて(その1)
橋の上から眺めていると遠くの山から満月が昇ってきました。あな、いとをかし。


天の川七夕まつりにて(その2)
初めて来たはずなのに…なんだろうこの懐かしさは。


天の川七夕まつりにて(その3)
和紙の灯籠、笹飾り、そして月を絡めて。


天の川七夕まつりにて(その4)
竹灯籠を彫って『天の川』『おりひめ』といった文字や星形が。


天の川七夕まつりにて(その5)
版画のような柄の紙灯籠が並ぶ光景も実に幻想的。街中でグラスがきらきら光るキャンドルナイトもなかなか良かったけど、川のせせらぎの音や蛙の鳴き声が聞こえるこんな場所でゆらゆら光る灯籠はなんとも美しいです。



こんな感じで一周ぐるっと歩いてみた後は駅まで行って、元来た道のりをたどって22:30過ぎに帰宅したんですが、一ヶ所に密集していない分だけとにかく広い範囲に広がってるし、他にも川沿いのステージで静かに二胡の演奏もやっていたりして、普通の賑やかなだけの夏祭りとは違って風流さも漂う素敵なお祭りでした。
今まで3ヶ月続いた無味乾燥で単調な暮らしが一区切りついた後で突如訪れた夏祭りというわくわくするような非日常のおかげで、この前期の締めくくりという日に相応しい一日になった七夕でした。