甲南定期戦の有効活用

『少年』

今日はいわゆる甲南定期戦という、うちの学校と甲南高校の運動部がまとめて親善試合を行う昔からの伝統のイベントが。
伝統というだけあってもう55回目にもなるこの大会ですが、中学と高校それぞれについて勝敗を決めるものの高校に至っては最後に勝ったのがなんと昭和49年まではるばる35年近く遡るという、引き分け挟んで31連敗中という凄まじい連戦連敗。まぁ相手強いもん。
そんな甲南定期ですが、我々文化部にとっては結構暇なイベントだったりします。


さて、朝は8:20集合だったんですが、金光臨の583系が走るとかいうことなのでさくら夙川で台氏(仮称)と一緒に撮ることに。
スーパーはくとなどの列車が通り過ぎて行った後で颯爽と登場した583系。よく模試とかを受けに行く時などに芦屋で目撃はしていたんですが、こうして走行写真を撮るのは実は初めてだったりします。まぁ丁度いい機会。
583系金光臨@さくら夙川
キハ181系の白幕とは違ってこちらはちゃんとした団体幕。しかしやっぱり10連ぐらいでこんなゴツいのが走ってくるとなかなか迫力がありますね。


その後は、応援団の練習に少し遅刻しそうだという台氏(仮称)と一緒に学校に行って、しばらくすると開会式。何を喋ってるかも分からないようなグダグダ状態なのはもはやいつものこと。それが終わった後に、化学のかまちゃん氏(仮称)から昨日授業で話をしていた自家製の古代米を頂きました。ご飯を炊く時にこれを少しだけ入れて炊くと綺麗な紫色になって味も美味しくなるんだとか。へぇ〜。
そしてあちこちで同時進行で競技が始まります。今年はいよいよ我々高3が主役というわけで友達もたくさん出ていたので応援する気はあったし、前日に会誌委員長氏(仮称)に写真の撮影をいろいろ頼まれかけたというのもあったんですが、三木鉄道廃線跡を歩きに行くという企画もあって、いろいろ悩んだ挙げ句、まぁよく考えるとこうして61回生のメンバーが集まってどこかに一緒に歩きに行ったりするような思い出作りの機会はもう数えるほどしかないような気がしてきたので思い切って廃線跡を選びました。
というわけで、立案者のid:gillhanter氏、id:cho-me3氏、id:tsulkou氏、id:sachikazerick氏と自分の計5人で阪神魚崎から直通特急で新開地まで行き、そこからは神鉄。しかしまぁ、応援団を金光臨のために遅刻する応援団の指導者に、途中抜け出して遊びに行く生徒会役員。この適当さがある種のうちの学校らしさを如実に表してるのかもしれません。
神鉄には何度かだけは乗ったことがあるんですがそれが有馬温泉〜谷上などのきわめて微妙な区間だったりするわけで、まともに山越えをする区間を乗るのは初めて。
まず新開地を出るとすぐ湊川。そしてそこからはいきなり地下のトンネルの坂を上り始めたかと思いきや、神戸の急峻な(?)山の斜面に並ぶ住宅街の中、50‰とかいうあり得ない坂をぐいぐいと加速して上っていきます。こりゃすごい。そしてあれよあれよという間に景色が広がってきて、山のトンネルを抜けると確かに新開地からわずか10分で伝説の菊水山を通過。確かにこれじゃ休止になってもおかしくなさそうな駅。それにしてもやっぱりこの神戸という街の立地条件ってのはつくづく独特だと実感させられます。だって40‰なのに『なんだ40か』なんて思ってしまうような路線はそうそうないですよ?
気がつけばあっという間に裏六甲方面に抜けつつ鈴蘭台。この電車は三田行きなので、ここからは後続の粟生行きに乗り換えです。
鈴蘭台にて
そしてここで三田方面行きの線路と分かれて粟生方面行きの線へ。単線になってローカル度大幅アップ、おまけに架線柱もなんと木製だったりしてなんかもうアレです。多分こんな通勤路線は全国どこを探してもないでしょうね。
神鉄の風景
そんな想像を絶するほど面白い路線だと分かった神鉄の線路を電車はとことこ走り、三木駅に到着。
駅前のローソンでおにぎりだけを調達して、あとは徒歩でしばらく歩く。なんか『みっきぃバス』とかいう変な名前の地元のバスが『よかたん』なるこれまた謎の行き先を掲げて走ってました。しかもそんなのを見た直後に、




中華料理バス
こんなものを見せられた日にはもはや吹かざるを得ないw


そしてさらに歩くこと15〜20分。数ヶ月前に一度訪れたことのある三木鉄道の三木駅に到着。その前にはこんな看板が。
ごみ捨て禁止看板
どうやらごみ捨て禁止をよびかける看板らしいんですが、この缶の表情などといったパーツが妙にリアルなのがなんともシュール。なんだかんだでどこに行ってもこの手のネタになりそうなものにはつい反応してしまう灘校生でありました。


旧三木鉄道三木駅
そしてこれが三木駅。一緒に行ったメンバーはこれが初めてだったみたいですが、まだ走ってる時期に一度訪れた自分としては余計に寂しさを感じます。


そして、ここから少し厄神寄りのところに踏切から廃線跡ウォーキング開始。
旧三木駅付近
車両自体が新しいせいか、あちこちの三セクから買い取りの申し込みが来ているそうで、車両も含めてそのまま残っていました。そしてなぜか駅の入れ換え信号は点いたまま…!?
三木鉄道廃線跡(その1)
やっぱり線路の上を歩くってのはなんとも趣があります。架線のない広々とした空、まっすぐに伸びる2本のレール、木の柔らかさを持った枕木…どれを取っても、これと人間が絡み合うとなかなかどうしてこれが絵になる風景。


しばらく歩いて、別所駅とかいうなかなか趣のある駅のホームに腰掛けて、ブルダックス(仮称)のごとく足をぶらぶらさせながらおにぎりを食べるというのは自分の中ではささやかな理想だったりしたわけで。
少年と空と線路。なぜこの3つのパーツが揃っただけなのに、どの構図からどう写真を撮ってもそのひとつひとつが絵になる光景なんですよね。不思議なほどに。これであとは真夏の青空と入道雲が広がっていれば文句のつけようがないんですが、まぁそこまで世の中うまくいくはずはないわけです。まぁ逆にこれぐらいが歩くにはちょうどいい天気なんですけどね。
そしてこの使われなくなった駅や線路がまたいい味を出してるんです。これを見ていると、今までは理解できなかった廃墟を好んで回るような『廃墟ヲタ』なる人の気持ちがなんとなく分かったような気がします。


そして別所を出て、再び歩きだす。
三木鉄道廃線跡(その2)
旧三木鉄道石野駅付近
三木鉄道廃線跡(その3)
三木鉄道廃線跡(その4)
三木鉄道廃線跡(その5)
途中、今まで以上に何も無いまっすぐな線路の上をひたすら歩いたり、持ってきた三脚で記念撮影をしたり。
そして少しだけ切り通しみたいな地形のところを通るところがあって、そこを歩いているとまさにリアルStand by Me。いや、別に死体を探しに行ったりするわけでもないし機関車に追いかけられて鉄橋から飛び込んだりなんてことはないですが。


そして、なんだかんだで道草食いつつもようやく目的の時間より前に到着。
三木鉄道の廃止区間には代替バスが運転されているんですが、本数は同じだけある上に神鉄の駅まで繋がっててむしろ今までよりも便利になっていたり。こりゃ地元にも惜しまれずに廃止されても無理はないなぁ…。
三木鉄道代替バス@厄神駅前
そして加古川線の厄神始発の125系加古川まで行き、加古川で姫路のそれと同じえきそばを食べてから新快速+快速で学校に着くと、間もなく閉会式の始まるぴったりの時間でした。
結局今年も灘は甲南に陸上とバレー以外は全敗を喫したそうでしたが、皆さんおつかれさまでした。こっちもそれと同じぐらいいい思い出が出来たような気がします。


で、自分は芦屋でおみやげだけを買って岡山へ。誰かが美味しいって言ってた東岡山の国道沿いの回転寿司に行ったら、確かに美味しかったけどネタ切れ続出でなんだかなぁ。
でも明日は休み。とりあえず、最後の甲南定期でしたがなかなか美味しいイベントでした。