古き時代に思いを馳せて

手のひら大仏

今日は天文部おしゃれパート(仮称)のメンバーで早春の鎌倉を散策してきました。


というわけで朝はかなり早く起きて調布から京王永山小田急永山→新百合ケ丘で乗り換え乗り換えして江ノ島線で藤沢へ行き、さらに東海道線→大船で横須賀線へと乗り換えて鎌倉へ。
ちなみに今回の参加者は自分を含めて6人だったんですが、まぁこれぐらいの人数が一番回りやすいもので。中には千葉のほうからわざわざ学割切符を使って来てくれる人もいたのはなんとも嬉しい限りです。


鎌倉文学館にて(その1)
さておしるこじじい氏(仮称)の希望によりまず最初に向かったのは定番の鶴岡八幡宮とかではなく由比ケ浜の山のほうにある鎌倉文学館という施設。もともと建っていた洋館を使っているということもあってなかなかレトロな豊かな時代の香りがします。


鎌倉文学館にて(その2)
もともとこの建物は前田家の別邸として建てられたそうで、なんとなく駒場公園にあった旧前田邸と似たような雰囲気を感じたのはそういう理由だったようです。小高い丘の上から海が一望できるここで彼らは海を眺めながらのんびりと休暇を満喫していたことでしょう。

鎌倉文学館
そしてそれがこの建物。ちなみに庭園は薔薇が綺麗だとのことなんですが時期が時期なので特にこれといった見所はありませんでした。


河津桜
ただ唯一目を引いたのは早咲きの桜として有名な河津桜。こんなに寒い時期が続くのにもうほんのわずかに咲き始めていました。


サンマリオHOTTAにて
さて、意外と文学館でゆっくりしてしまったのでもうすっかりお昼。というわけで七里ケ浜にあるサンマリオHOTTAというレストランでランチにすることに。この地中海っぽさの漂うマリンテイストがなんともよい雰囲気。


地だこのピッツァ
地だこのピッツァ。欧米人が忌み嫌うタコも地中海沿岸ではポピュラーな食材。しかしタコを使ったピッツァというのは初めて見たかもしれません。イカならよく見るんだけど。
おさパらしくまったりとした良い昼食タイムでございました。


長谷寺にて(その1)
さて、前半で若干時間を使いすぎた感が否めませんがここからは再び観光タイム。まずは長谷駅近くにある長谷寺へ。実はここに来るのは初めてだったりします。梅がきれい。


長谷寺にて(その2)
これ夏場とかいい感じに涼感たっぷりの風景を楽しめるんだろうなぁ。


長谷寺にて(その3)
冬枯れの風景の中に置かれた鮮やかな色の仏花が目を引きます。


長谷寺にて(その4)
本堂。この中に安置された観音像がなんとも立派で驚きました。観音様の上からさらに何人かのミニ観音様(?)的なのがにゅっと顔を出して皆さん上から目線で見下ろしてくるというのはなんともシュールな光景。しかしこれには仏像好きのおしるこじじい氏(仮称)も大満足でありました。


長谷寺からの眺望
そしてこのお寺は山の斜面に作られているので本堂のあたりからは海のほうが一望できます。


卍池
卍池。池をわざわざ卍型にする必要があったのかはどうかは謎だけどこれを斜めにして鏡に写せばナチス池。


そんなわけで長谷寺も十分見たことだしそろそろ次の場所へ…と思ったらなんと奥のほうに弁天窟とかいう怪しげな洞窟があるではありませんか…!


長谷寺にて(その5)
弁天窟内部へ潜入するとこれがまた想像以上に大きな空間が広がっていました。そして世界史の図表に載ってる『石窟』のように壁には数々の石像が彫られていて、薄暗さも相俟ってなかなか妖しげな雰囲気が漂います。なんかすげぇ…。


長谷寺にて(その6)
ちなみに洞窟の入り口はこんな感じでした。長谷寺というと奈良にある本家本元のほうに既に行ったことがあるのでどうせこっちはそんなに大したこと無いだろうと思って入ってみたもののこれが意外と面白いお寺だったのでなかなか満足。


和み地蔵
ちなみにここに置かれている『和み地蔵』とかいう新しそうなお地蔵さんがなかなか優秀なゆるキャラっぷりを発揮していてたしかに和みました。和み地蔵グッズとか無いのかしらん。待ち受けとかストラップとか。


梅の花
そして咲き誇る白梅。桜の季節はまだだけど梅のちらほらと咲くこの感じはお寺や神社のような場所にはよく合うものです。



鎌倉大仏にて(その1)
さて、次にやってきたのはおなじみ鎌倉の大仏。もともとは奈良の大仏と同様に大仏殿の中にいたものが大風だか津波だかで大仏殿が倒壊したっきり建て直されなかったおかげで以後500年以上も吹きさらしの場所に置かれっぱなしというなんとも可哀想なことになっている大仏ですが、逆に屋外のほうがいろいろな表情を見せてくれてそれはそれで面白かったりします。


鎌倉大仏にて(その2)
もはや定番ネタの手のひら大仏。


鎌倉大仏にて(その3)
よっこらせっ。


さらにこのあとみんなで並んで大仏もさりげなく混ざって記念写真を撮ってみたりとかいろいろ写真で遊んでました。いやーここはトリック写真がいろいろ撮りまくれて楽しい。
ちなみに前回来た時は時間的に既に終わっていて入れなかった大仏の内部にも今回は潜入成功。意外にもあの中って思いっきり空洞になってるものなんですね。今ここで大地震が来たら絶対死ぬだろうなぁとか思ったりしたけど大仏の中で死ねるとかそれはそれでありがたい話なのかもしれない…w


さて、メジャーどころを回ったところでここからは少しハイキング気分で山のほうへと足を伸ばしてみることに。


大仏切通
まず来たのは鎌倉七口のひとつである大仏切通。大仏トンネルというなかなか分かりやすい名前のトンネルの脇をひたすら登っていった先にある切通しなんですが、なるほどいかにも山を切り通して道にしましたといった感じの場所で、切通しをぜひ見てみたいと思っていた自分にとってはなかなかの感動でした。これはかなりの地歴ヲタホイホイだと思うのですよ実際。


さらにそこからは大仏ハイキングコースという鎌倉の外縁の山の尾根を伝っていくハイキングコースへ。


リス
すると途中で野生のリスに遭遇。かわええ。


大仏ハイキングコースにて(その1)
尾根沿いのコースというだけあって道はわりと明るく歩いていてなかなか気分が良いです。


大仏ハイキングコースにて(その2)
木の根っこが網の目のように露出していました。


大仏ハイキングコースにて(その3)
そして時折開ける景色がまた何とも素晴らしい。こうして見ると『三方を山に囲まれ残る一方も海で…』という鎌倉の地理的特徴が一目で分かります。こりゃ確かに攻め込みにくいよなぁ…w


リスふたたび
なんか皮が無くなってすっかり丸裸になった倒木があるけど何だろうと思ったらそこには一心不乱に皮をかじりまくるリスの姿が。お 前 だ っ た の か


そんな感じで尾根を歩いてたら突然アスファルトの道になって住宅が出現。こんなとこに住んでる人がいるとは…。


佐助二丁目
サスケェ…。


乗り入れ禁止看板
土休日が車両乗り入れ禁止は分かるんですが別途『巳の日』という指定があるのはいったいどういうことなんでしょうね…。


銭洗弁財天にて(その1)
さて結局1時間少々歩いて着いたのは銭洗弁財天。ここでは『銭洗』の名の通りお金を洗って清めることができて、しかもここで洗ったお金は倍になるという言い伝えがあるとかなんとか…。今日来てたメンバーによると修学旅行では財布ごと洗って帰った人もいたとかいないとかいう話ですがその後ちゃんと倍に増えたかどうかは謎です。



銭洗弁財天にて(その2)
♪テレレレ↓レレレレン↑
なんかどっかで見たことのあるようなマークを発見。こんなところでトライフォースを見るとはなんという偶然…と思ったけどそもそもあのゼルダの伝説に出てくるトライフォース自体が北条氏の家紋である三つ鱗紋をモチーフにしているらしいので実はあながち偶然でもなくむしろ思いっきり関係しているようで。


銭洗弁財天にて(その3)
この半分洞窟のようになった場所に水が湧き出してきていて、ここでお金を洗うわけです。ちゃんとザルも用意されてます。


銭洗弁財天にて(その4)
洗ったお金がちゃんと倍になるといいな♪()


化粧坂切通
さて続いて歩いて向かったのは化粧坂切通。しかし切通し感はあまり無くどちらかというとただの山道の坂といった雰囲気で、足元がやたらとぬかるんでいたのが印象的でした。それにしても大雨が降ったら一発で土砂災害の危険に晒されそうなところばかりである…。


亀ヶ谷切通し(その1)
しかし個人的にめちゃくちゃ感動したのは次の亀ヶ谷切通源頼朝が大軍を引き連れて鎌倉に入った時に通ったとされている北鎌倉方面へと繋がる道で、普通の自動車こそ通れないものの今でも自転車やバイクが通る生活道路として鎌倉時代から700〜800年ほど経った今なお利用され続けているのです。

亀ヶ谷切通し(その2)
今までの2つとは違って舗装されているものの、この圧倒的なまでの切通し感はその舗装の分を補って余りあるほど。



亀ヶ谷切通し(その3)
深い山の中を一筋の直線がすっと伸びていくこの感じはまさに『道』の名にふさわしく、それは今でも地元の人にとって大切な道として大事に使われているからこそのものなのかもしれません。かつてここが鎌倉へのメインストリートで人や馬が駆け抜けていった時代に想いを馳せるには十分な場所。いやーなんか感動しました。


東慶寺(その1)
さて、続いては東慶寺


東慶寺(その2)
…といきたいところでしたが各所でのんびりしすぎた&若干遠回りしすぎたこともあって到着したのはぎりぎり閉門直後。残念…(´・ω・`)


円覚寺の踏切
北鎌倉駅に隣接している円覚寺の境内にある横須賀線の踏切。鉄道ファンにはもはやお馴染みの踏切なのかもしれませんが、ほどよい暗さの中でここの風景を写真に収めることができたのは個人的には結構嬉しかったりします。


円覚寺
…まぁ肝心の円覚寺はもちろん閉まってたんですけどね!\(^o^)/


カワセミ
近くの池では美しい青色に輝くカワセミが佇んでいました。




そんなわけで鎌倉観光はこれにて終了。北鎌倉から電車に乗ったあとは、4人ほどで横浜で降りて中華居酒屋で夕飯を食べたり軽く飲んだりいろいろ話したりしつつ東横線経由で渋谷を回って帰宅。
実はこっちに暮らし始めてから鎌倉に行くのは今回がが初めてだったんですが、こうして大学に入ってからの友達と鎌倉を観光するというのもなかなかに楽しかったです。そしてやはり一日では到底回りきれないほどいろんな歴史的コンテンツが満載の街だということも分かったのでまたぜひ機会があれば行ってみたいなぁと思ったりしたのでありました。