Steve Jobs 1955-2011

夕刻の安田講堂

スティーブ・ジョブズ、死去。


このニュースが全世界にもたらした衝撃は、あのマイケル・ジャクソンの死以来だったのではなかろうか。


病気が進行してきていて余命幾ばくも無い状態なのではないか、と以前から噂されてはいたものの、こうしてあらためてこのニュースを見ると彼の早すぎる死には本当に残念としか言いようがない。なぜならそれは、これから十年二十年もしくは三十年にわたって彼がこの世界にもたらすべき未来がもう永遠に訪れなくなったことを意味するから。


レオナルド・ダ・ヴィンチ
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン
パブロ・ピカソ
トーマス・エジソン


誰もが知っているような名だたる天才たちに匹敵するような、これから歴史に名を刻んでいく天才だったのは間違いない。ただ歴史の天才達の多くが『悲劇の天才』と呼ばれるように没後しばらく経つまで評価されなかったのに対して、彼の場合は生前から高い評価を受けていた数少ない天才なのかもしれない。


もし彼がいなかったとしたら、普段使っている音楽プレーヤーはもっと違うものになっていただろうし、皆が当たり前のように使うスマートフォンタブレット型端末などこの世に存在すらしなかったかもしれない。
それどころか、今こうして全世界の人々が使っているパソコンも――それはMacに限らず当然WIndowsも――現在のこのような形では存在しなかったかもしれない。それぐらい彼の残した功績、彼のもたらした未来は大きかった。スティーブ・ジョブズのスの字も知らないような人たちが当たり前のようにiPhoneを持ち歩き使っているという事実こそがまさに当たり前の未来を創るというのがいかなることであるかを示しているような気がする。

彼は仏教にも大きく関わっていて特に信仰していたと聞く。だから敢えてこの言葉を選ぶけれども、ご冥福をお祈りいたします。
世界が少し退屈になった。