京とれいんに乗って

渡月橋にて

せっかく関西に帰ってきているので、久しぶりに台氏(仮称)に会うために今日は京都へお出かけ。
首都圏に住むことの魅力がたくさんの人や物が集まる東京都心に近いことだとするならば、関西に住むことの魅力はすぐ近くに全く異なる個性を持った大阪・京都・神戸といった街があることなんじゃないかな、と最近つくづく思います。


さて、実家から京都の中心部に行くとなると地理的・運賃的な都合からほぼ阪急の一択になるわけですが、あまり奇抜なことをやりたがらない会社だったはずの阪急が最近覚醒し始めているというのは大学に入る前から既出だったものの、なんとこのたび特急運用から引退した6300系1編成を『京とれいん』なる観光列車に改造してしまったようで…いやその話を聞いた時はホントにビックリしましたが。
他にも今度の5月の改正で土休日ダイヤの準急の半分が堺筋準急になったり堺筋線内は日本橋以外通過の嵐山行き季節臨が追加されたりいろいろある中で、その京とれいんは土休日には毎週快速特急として途中十三・淡路・桂・烏丸以外全部通過で梅田〜河原町間を片道43分で何往復か運転するんだとか…。川の向こうの某会社がとうとう伝統の京阪間ノンストップを完全にやめてしまうことになった一方で、こっちではとうの昔にやめたはずの京阪間ノンストップを(淡路や桂にこそ停まるとはいえ)観光列車という形で復活させるとはなんとも興味深い話です。なるほど新京阪とはよく言ったものである…w


さて前置きはそれぐらいにして、兎にも角にもその京とれいんとやらが5月の改正までは毎週土日に嵐山行きとして走るそうなので、せっかくだからそれに乗って京都に行くことに。
まぁ臨時列車とはいってもJRのそれとは話題の大きさや集客数が大きく違うので、まぁいつもの通りそこそこ乗ってるかなー程度のもんだろう…と高を括って発車の10分少々前ぐらいに行ってみたら既に大行列が。マジですか…( ゚д゚)
特に大改造された3・4号車が気になっていたもののさすがにこれでは無理なので一旦諦め、運転席直後を除いて最も空いているであろう河原町方面の先頭車に狙いを変更。結果的にはそれが功を奏してあっさり座れたんですが、十三発車時点でそれでも座席はほぼ埋まって立ち客も出てるほど。気合いを入れて宣伝してるだけあっていつもとは全く違いますな…!


京とれいん6号車車内にて
両端2両ずつは座席はそのまま、モケットと化粧板などだけ張り替えられた簡易的なリニューアル(京阪8000系の初期の更新と似てるかも)がされていて、梅田側の2両は赤系、河原町側の2両は緑系のモケットに。どちらも和を感じさせる柄になっています。ちなみに蛍光灯は元々の白いものから電球色に交換されていました。
結構多くのお客さんを乗せて走り出した列車は淡路を出るとノロノロ運転とはいえ桂までノンストップで走行。日本語、英語、韓国語、中国語という4カ国語での自動放送が導入されていたのはなんとも新鮮でした。4回も言うもんだからやたら賑やかだけど。


京とれいんロゴ
そうこうしているうちに桂に到着。ちなみにこれが京とれいんのロゴマークっぽいです。


阪急6354F京とれいん快速特急嵐山行き@桂
ちなみに外観は社章が移設された程度で窓などは原型のまま変わっておらず、その車体にラッピングの装飾を施した感じになってます。もともとがシックな色なのでそこに金や銀が程よく和のテイストの差し色になってていい感じ。


で、桂からはちょうどうまい具合に嵐山発河原町行きの臨時の快速特急が出ているので対面接続で乗り換え。これはなかなか上手くできてますね。ただなぜこれが快速特急なのかはちと疑問ではありますが…。


河原町駅2号線停車風景
そして河原町駅の2号線に到着。他と少し離れているうえに有効長が7両で使いづらいために今となってはこの2号線は早朝に一本の列車が発着するだけでほとんど使われていないんですが、6連の嵐山行き臨時列車が使うにはちょうどいいスペースなので有効活用されてます。おそらく5月の改正以降は京とれいんが専らここを使うことになるんでしょうね。


さて、少し待ってから駅の外で台氏(仮称)と合流。
四条大橋より鴨川を望む
四条大橋からの鴨川の風景はいつ見ても素敵。


まだ11時だけどぼちぼちごはんでも食べつつなんか話そうかということになったのでいろいろ調べたら南座のすぐ近くにおばんざい定食が1000円ほどで食べられる店があったので行ってみたら…なんとどう見ても立派な割烹ではありませんか。外観もそれっぽかったけど入ったらいかにもな風貌の女将さんが出てきたのにはさすがにビビった。ただ残念ながら今日はお弁当の支度が多くて開店までにあと1時間ぐらいかかりそうとのことだったので断念することに。しかしこのお店…見るからに絶対美味しいよね。これでランチ1000円というのは正直破格だと思われる(夜なんか下手したらゼロ1個ぐらい余計にかかりそう…?)ので今度京都に来た時にはぜひ行ってみようっと。


で、代替案を探して結局落ち着いたのは河原町通から麸屋町通を少し下っていったところにある『gurigura café』。
お洒落な、というよりは可愛らしい、という言葉のほうが似合いそうな素朴で小さなカフェで、最近は雑誌とかで隠れ家的カフェとかがやたらもてはやされてたりしますがまさにそういうイメージかも。ぶっちゃけこういうの好きです(*´ω`*)


きょうのおうちごはん
『きょうのおうちごはん』850円。本当にお家の食卓で出てきそうな素朴なメニューなんだけど、これがなかなかに美味しい。
言ってみれば日替わり定食みたいなものなんだけど、やっぱりれっきとしたカフェごはん。カフェごはんなんだけど、メニューや食材がなるほど京都っぽいチョイスだなと思わされました。これは地味にいいかも。


gurigura caféにて
さらに『きょうのおうちごはん』をオーダーすれば100円でコーヒーか紅茶もプラスできるそうだったので、食後にあったかいコーヒーをいただきました。たまにはカフェでまったりするのもいいよね…ってよく考えたら最近こんなのばかりだわ。w


そこでひとしきりいろいろ話とかをした後で店を出て、向かった先は


錦市場にて
久々の錦市場。この活気もいいし、なんといってもこの昔ながらの商店街の向かい合った店同士の距離感が良い。この幅だと両側をちゃんと見ながら歩けるんですよね。


豆乳ドーナツ
そして揚げたての豆乳ドーナツを頂きました。美味(^q^)


ここで時間が来てしまったので用事がある台氏(仮称)と別れ、四条河原町高島屋に入ってCollinsパーティ用にGOKANのお菓子をお土産に買い(同じものは食べたことないけどまずハズれないし関西色も出てるしなによりもパーティの流れに沿ってるので…この際大阪の会社であることは気にしない方針でw)、市バスの203系統に乗って北野天満宮へ。午後にもなるとさすがに四条河原町はだいぶ観光客を含めた人で溢れてましたがバスに乗ったら拍子抜けするほど平和でした。地元のご老人がほとんど。



今年は春先ずっと寒かったこともあってか梅はかなりの遅咲き。今になってようやく見頃を迎えた感じで、いい感じに綺麗に咲いてました。


北野天満宮にて(その2)
正月や受験シーズンには大混雑の天神さんもあの時期が嘘のように平和でした。参道の出店も無いし。


北野天満宮にて(その3)
久方ぶりの天神さん。去年の合格後は後期だったこともあって忙しくてそれどころではなかったので、今頃1年遅れでお礼参りということで。菅原さん大変お世話になりました。


北野天満宮にて(その4)
時間の都合で入らなかったけど、今日が最終日という梅苑の梅も一面綺麗に咲いていました。


で、北野天満宮から徒歩で嵐電北野白梅町駅まで行ってそこからは嵐電に乗車。
北野白梅町駅にて
このローカルな雰囲気がやっぱり良い。


そして帷子ノ辻で乗り換え、終点嵐山に着いたら駅前にこんなものがありました。


砂像
大河ドラマの『江』の砂像だとか。どうやったらこんなにいい感じに砂を固めて彫ってアートにできるのかが気になるところです。


渡月橋
嵐山の観光名所として有名な渡月橋。青空と雲の感じが綺麗だったので絡めて撮ってみました。個人的には結構お気に入りの一枚。


阪急嵐山駅
そのまま徒歩で阪急嵐山駅まで行くと、今まではちょっと外れ感が漂っていたこの駅がやたら綺麗になっていて驚きました。


嵐山駅新駅名標
駅名標もこのとおり。なんかここまでやっちゃうと観光路線みたいですね。


さて今回こそは発車よりも20分以上前に嵐山に来たんですが、それでも一般人を含めて結構な行列が出来てるあたりやはり観光列車のインパクトというのは相当大きいようです。一本前の快速特急梅田行きやその後の河原町行きは見向きもされてない…w


阪急6354F京とれいん快速特急梅田行き@嵐山
そしてようやく主役が登場!この車両がこうして嵐山に来るのも5月の改正までの期間限定なので地味に貴重なシーンになるかもしれません。


そして乗り込む。桂から出庫して普通列車としてやって来るのでここで乗ったまま折り返してやろうと企んでた人も少なからずいたようですが、まさかの普段使わない反対側ホームのドアを開けて全員降ろされててワロタ。
そのあと両端2両ずつはシート転換があり、それからようやく乗り込めるんですがやはり行列を甘く見ていたようで進行方向向きの座席はゲットできず。。まぁ景色はいつでも見られるからいいんだけど。


京とれいん3号車車内にて
これが今回乗った3号車。真ん中の2両だけ明らかに気合いの入り方が違って、本当に特別料金払わなくていいの?というぐらいに思い切った改造が施されています。テイスト的にはJR九州の『いさぶろう・しんぺい』のあれに近いかなぁ…。


そして列車は嵐山を出て嵐山線を桂まで、そこからは本線を往路よりはスピードを出しつつ快走していきました。ちなみに本当は今日はカナタン氏(仮称)がニコニコ技術部のイベントで西院まで来てたらしいんだけど残念ながら連絡のタイミングがことごとく悪かったので結局会えず。まぁまたの機会に…。


京とれいんボックスシート
終点梅田到着時に撮影したボックスシート。こっち側が4人掛け、そして反対側が2人掛けのボックスになっていて、背の高い仕切りのおかげでセミコンパートメント的な感じになってるし座席にも畳の素材が使われてるし、思った以上に良かったです。しかも敷いてある座布団(?)の硬さもちょうど良かったので意外と座ってて疲れなかったし。


京とれいんデッキ部分
ちなみにドア部分はちょっとしたデッキのようになっていました。ドアが車両の両端に寄っているという特性上特急としての現役時代には一長一短な部分があって末期には乗り降りに時間がかかるのが問題となってきていたんですが、その両端寄りのドア配置をこれほどまでにうまく活用してくるとは正直思っていませんでした。。かつて6300系に続く次世代特急型車両の構想があった時それは相当豪華な雰囲気になる予定だったらしく、結局輸送形態が変化したためにそれは実現されなかったんですがもしかするとそのエッセンスの一部がここに実を結んだのかも…しれません。


さて、もう明日には東京に帰らないといけないんですが、これで関西で会いたい人にはほとんど会ったし、今回の帰省は予定外のことがいろいろ重なったわりにはなかなか充実してた気がします。うん。