久々の大回り

両毛線にて。

東大に行ったら空いてる日にはまだ開拓してなかった関東の鉄道路線をあちこち開拓して…


受験生時代にはそんなことをよく考えていたんですが、実際に大学生活が始まってみると他にも楽しいことが山ほどあるし、なによりそんなことに使えるような余暇すらほとんど無かったわけでして、気がつけばもう夏学期も終わり…。


そこで、試験前で今まで一番まともな空き時間が出来たので久しぶりに乗り鉄しに行こう!!
というわけで、大学に宇宙科学のレポートを出しに行ったついでにそのまま大回り乗車スタート。
…まぁホントはもっと余裕をもって行くはずだったのに、家に携帯を忘れてきたことを駅に着いてから気づいて取りに帰ってたおかげで最初からドタバタだったんですが。。しかも駒東の駅から教務課のとこまで5分でレポート出して帰って来ないといけなかったおかげで慌ててて、メモ程度に書いた今日の行程表までレポートにくっついてた状態のまま出してしまったことが判明…あー恥ずかし\(^o^)/


とりあえず渋谷まで出てから新宿までの150円の切符を買って出発。
まずは山手線で代々木まで出て、普段ほとんどお世話になることのない中央・総武緩行線に乗って秋葉原へ。もしかしたらお茶の水秋葉原間って初乗車かも…?
秋葉原から京浜東北線に乗ったらいよいよ上野の停車場ですよ。まぁここまではまだスタートラインに立つまでの行程みたいなもんですが。


上野では10:51発の小金井行きに乗るはずだったんですが、一本前の宇都宮行きが211系で、しかも線路点検のおかげで宇都宮線のダイヤが乱れてて下手に後の電車に乗ると到着が遅れて接続を逃したりしかねないので、発車間際の宇都宮行きに駆け込む。15両編成だったので付属編成がセミクロスの編成であることを期待してみたんですが残念ながらオールロングの3000番台でした。残念。。
まぁそれでも超ガラガラの車内は快適で個人的にはやたら空いてるロングシートは案外嫌いじゃなかったりするのでまぁこれでいっか。しかしやっぱり中距離列車のこのあたりの雰囲気が民営化して20年以上経った今でも国鉄っぽさ全開で面白いJR東日本
列車間隔が詰まってるからなのかは知らないけど列車は案の定途中でノロノロ運転を繰り返しながら大宮まで走り、しかし大宮からは人が変わったかのように突如スピード感溢れる走行になったのでビックリ。これはまさかの回復運転…!?
宇都宮線を明るい時間に乗るのは数年ぶりのような気がするんですが、大宮を出てしばらく走るとだんだん周囲の風景がのどかな田園地帯になってきて、所々で『ベッドタウン』というよりむしろ『ふとんタウン』といった感じの街がちょこちょこと。ガラガラの車内で211系のモーター音と心地よい揺れを感じながらフラ語の本を開いてお勉強。家とか大学の教室にこもって勉強してるよりも、特に文系の科目の場合はこういう環境の中で勉強してるほうがむしろ変に煮詰まったりすることがないので案外いいのかもしれません。とはいっても今回は初乗車の区間が多いからそれほどガッツリ勉強してはいられないかもしれないけれども。


そして1時間半弱ほど乗った頃に小山に到着ー。乗り換えが遠いけどここから両毛線の高崎行きに乗車。


小山駅にて
両毛線のホームは東北新幹線の高架下。


115系湘南色@小山
そして車両はこのカボチャの115系。岡山でもおなじみの車両だったけどいまやほとんどがカフェオレ化し(そして末期色になるわけですが)、こっちは特に大きな改造をされることもなくカボチャを保っていて、『普通』幕も相俟ってますます国鉄の香りが漂います。


ところでさっき喉が乾いたのでなんか飲み物でも買おう!というわけでふらっとNEWDAYSに入ってみたら、なななんとあの栃木名物らしい『レモン牛乳』が売られているのを発見。


レモン牛乳
商品名が昔は『レモン牛乳』だったのが今では『関東・栃木レモン』になっているのは大人の事情なんですが、それにしても栃木でしか売られてないのに関東をどどーんと大文字にするとか強気やなぁ…と思ったらこれって昔売ってた会社とそれを引き継いだ会社の社名だったんですね。なるほど。
で、このレモン牛乳開封して中の液体の色がやたら黄色いことぐらいでは別に何も驚かないんですが、驚いたのは全く酸味がないこと。たしかに香料が入っててレモンの香りはするし甘味もあるんだけど、レモン果汁はおろか酸味料すら入ってないんですねこれ。。なるほど『昔懐かしい味』という理由が分かった気がします。ぶっちゃけ嫌いじゃないよこういうの。


両毛線の風景とレモン牛乳
そして発車時刻になり、単線の両毛線の線路の上をを草津線ばりにリズミカルに跳ねながら、ひたすらのどかな風景を横目に進んで行く115系。途中で何度も東武鉄道と出会いながら進んで行くんですがこうして乗ってみると東武の勢力の大きさを実感します。さすが近鉄に次いで日本第2位の路線長を誇る私鉄というだけのことはあります。
車内は基本的には空いていたけど、途中でたびたび高校生が暑い暑い言いながら1〜2駅の区間だけ大量に乗り込んできたりするあたりはやっぱり地域の足として活用されている理想的な地方ローカル線です。いやまぁ実際はれっきとした幹線扱いなんだけど。
大学に入って数ヶ月。毎日大量の人を詰め込んで(という表現が正しい。ほとんど荷物扱いである)走る味気ない銀色の電車にしか乗っていなかったので久しぶりにこんな田舎ムード満点の電車に乗ってちょっとした旅をすると気分が癒されます。あー夏やなぁ。
で、乗っていてひとつ気になったのは車窓風景。
2時間弱の乗車時間ですが、関東平野の縁を進んでいく路線なので基本的に地形は非常に単調。途中でちょっとした住宅地があったり逆に一面緑の水田が広がってたりとある程度の変化こそあれど山間部を走ったりすることは基本的にはありません。
ただ、その広がってる緑の水田が栃木から群馬に向かっていくにつれてだんだんと畑に変わっていて、気がついたら辺り一面が畑作地帯になってたりするあたり、火山地帯からの距離とかも関係してくるのかとかは分かりませんが同じ関東ローム層の天下でも地域によってだいぶ土地利用は違うんだなぁというのが地理的には非常に興味深かったです。


県庁所在地なのにいろいろと残念すぎる前橋を過ぎ、新前橋で上越線と合流したらもうすぐ終点・高崎に到着。18きっぷの旅とか大回り乗車なんか始めると大宮=すぐそこ、高崎=まぁわりと近所、みたいな感覚になってしまうのがなんともアレですな。
さらにそれでもたまに用事があってまともな運賃で乗るとえらい高いなぁと思ってしまうあたりはもっとアレですな。


高崎ではしばらく時間があったので、駅弁売り場でだるま弁当を購入。さすがに立ち食い蕎麦は自重したけど次の八高線まではまだまだ時間が。日陰とはいってもホームはやっぱりめちゃくちゃ暑くて、Tシャツ一枚でも汗がにじんでくるほど。しかもようやく列車が到着したからこれが折り返し高麗川行きになる…のかと思いきやそのまま回送になって去っていった…orz


そうしてしばらく待っているとようやく自分の乗る高麗川行きが入線。キハ110系のまさかの3両編成。
車内はまぁ非力な冷房ということもあって残念ながらそんなに冷えてはなかったんですがそれでも外に比べればだいぶ涼しくて快適…と思っていたらふと目に飛び込んできた車内の温度計には『34.9℃』の文字が…。え、これで35℃…!?
まぁそれもそのはず、家に帰ってきて調べてみたらどうやら群馬の伊勢崎では最高気温が38℃だったそうで、多分高崎駅もこの時間帯に気温は軽く36〜37℃ぐらいはあったと思われるわけでして、なるほど道理で35℃でも涼しいと感じるわけですか…日本あちぃ。


さて、そんなわけでここで遅めの昼食。


だるま弁当(その1)
後で貯金箱にもなるというだるまの形でおなじみの高崎駅名物だるま弁当。900円。
小さい頃、家族ではるばるいとこの家に遊びに来た時に帰りの新幹線とかで食べたりしていたんですが、その頃から大好きだったこのだるま弁当。しかし最後に食べたのはいつだろう…もしかしたら10年ぶりぐらいかそれ以上かも…?


だるま弁当(その2)
中身は山菜やごぼうに椎茸、筍、山くらげといった山の幸がふんだんに使われて、それらの具が味のついた炊き込みご飯の上に乗っかってるスタイル。釜にこそ入ってないけど釜飯ライクな駅弁ですね。
個人的にはしっかり味のついた群馬の特産の玉こんにゃくが特にお気に入りだったりするんですが、やっぱり山の幸っていいですよね。和食というとどうしても海の幸のほうが派手で豪華だからそっちに目がいきがちだけど、でも素朴な山の幸をこうしてごはんに合うように味付けした煮物だとか佃煮だとか、そういったものにこそ『和』の神髄があるような気がするのです。


さて、高崎を出たキハ110系はまずは高崎線をぶっ飛ばし、倉賀野を過ぎると次の北藤岡駅の手前で分岐。この北藤岡駅は高崎線のすぐ脇にあるくせになぜか駅は八高線にしか無いという変な駅で、他にも小海線東小諸駅乙女駅伯備線布原駅(実質的には)などJR線には結構全国あちこちにこの手の駅があるんですが、どうしてなのかは謎。近所の人にとっては歯がゆいだろうなぁ…。
そして分岐してからはひたすら水田や畑の広がる中を走っていくというスタイルはやはり両毛線と同じ。しかし気動車ということもあって乗ってる時の気分はなんかまた違うもんですな。てかキハ自体乗ったのがかなり久しぶりかも。JR西日本の某レールバスとは違ってこのキハ110系はなかなかお金のかかったバブリーないい車なので個人的には結構好きだったりする。
寄居では秩父鉄道東武東上線と出会いつつ、小川町では再び東武東上線が登場。しかし池袋からの直通がいっぱい来てるわりには想像以上に田舎やなぁ…。
さらにはだんだんとちょっとした山間部や丘陵地帯に入っていくので景色にも変化があって、そうこうしているうちにもう終点・高麗川に到着。残念なことにもうここで普通の味気ない通勤型電車にお乗り換え。


キハ110系&209系3100番台@高麗川
キハ110系の向かいに停まっているのは川越行きの209系3100番台なんですが、顔がちょっと他の209系と雰囲気違うよなぁ…と思ってたら、2編成しか無いはずなのに自分が乗る八王子行きも同じく209系3100番台
で、実際乗ってみたらこのなんとなく一部だけ木目調になってる内装はどっかで見たことがあるぞ…これってもしやりんかい線!?と思ったらやっぱりそうでした。なんか編成組み替えの時に余ったやつを買ってきたとかなんとか。
しかしまぁこの車両のシートは見た目とは裏腹にやたら固いし形も他の209系のシートとは違って平べったいしで八王子まではたった50分だったにも関わらずなかなかの苦行でした。これだからプレハブのベンチは…('A`)
しかしまぁ乗ってると車窓に突然駿河台大学が現れて思わず吹いたり、いろいろニュースとかで目にした横田基地があってあぁこんなところにあるんだと思ったりといろいろあるにはあったかも。


で、八王子からはラストスパート、あとは中央特快に乗って新宿に帰るだけ。
…というわけでしばらく駅で待ってE233系に乗り込んでまぁフラ語の本でも読むか…と思っていたら、なんと国分寺でホームの向かい側で退避している電車はどう見てもあのオレンジ色のアレではないですか…!!


さすがにそれから降りる準備してると間に合わないので、とりあえず次の停車駅の三鷹で慌てて降りて待っていると…






201系オレンジバーミリオン色快速東京行き@三鷹
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!


そう、これはあの元中央線のヌシ・201系。
いよいよE233系に置き換えられて、高架化工事の影響で最後まで残った2本もそのうち1本は北長野へと旅立ってしまっていよいよこれが最後の1編成。それももうこの秋には引退が決定してしまっているという状況で、普段中央線を使わない自分はもう乗ることはおろか見る機会も無いかもしれない…と思っていたらまさかこんなところで偶然乗れるとは…!!
これは大回りの最後のシメとしてはもはや申し分無いレベル。新宿駅までの爆走を楽しませていただきました。


201系東京行き方向幕
京葉線ではもうしばらく見られるけど、中央線の東京行きの幕はもうすぐ見納め。


中央線201系@新宿(その1)
新宿駅と201系。


中央線201系@新宿(その2)
この『オレンジの中央線』の代名詞的な列車自体には別に何か特別な思い入れがあるわけではないんですが、しかし201系という車両には中学時代に関西でホントによくお世話になってたので非常に愛着があって、地域は違うとはいっても向こうの本線の201系の最後の活躍を見届けたのと同じようにこっちでも201系の最後の活躍を見届けることが出来るのは実に嬉しいです。


そんなわけで今日の大回りは最後に素晴らしいサプライズもあって楽しく終了。
関西と違ってこっちでは切符でも時間制限があるらしく自動改札が通れなかったけど別に何も悪いことはしてないので有人改札を堂々と通って(まぁいちいち説明しないといけないのが面倒だけどね)、あとは京王線に乗り換えて調布まで帰ってきました。


ちなみにお昼が駅弁でちょっと多めに使ったので夕食は自重気味に日高屋へ行って安く済ませたんですが、
埼玉すったて
埼玉すったてという、埼玉の郷土料理をアレンジした謎のメニューがあったので食べてみました。まぁクオリティはまあまあかなぁとしか言いようが無かったけどこれで490円ならやっぱり安い。こういう時にはこういうチェーンって便利だよね。


さて、明日は家で勉強するかなぁ…。

車番・乗車距離

布田〜つつじヶ丘:京王線・各停/新宿、8180
つつじヶ丘〜明大前:京王線・通勤快速/本八幡、10-257
明大前〜駒場東大前:京王井の頭線・各停/渋谷、1130
駒場東大前〜渋谷:京王井の頭線・各停/渋谷、1134
渋谷〜代々木:山手線・外回り、モハE230-565
代々木〜秋葉原:中央線/総武線・各駅停車/千葉、サハE231-110
秋葉原〜上野:京浜東北線・各駅停車/東十条、サハE233-1025
上野〜小山:東北本線宇都宮線)・普通/宇都宮、モハ210-3016
小山〜高崎:両毛線上越線・普通/高崎、モハ114-1091
高崎〜高麗川八高線・普通/高麗川、キハ110-210
高麗川〜八王子:八高線・普通/八王子、モハ208-3102
八王子〜三鷹:中央線・中央特快/東京、モハE233-***
三鷹〜新宿:中央線・快速/東京、モハ200-256
新宿〜調布:京王線準特急京王八王子、8254


●乗車距離(1日):344.5km