甲陽園で脱線事故

脱線した阪急6010F@甲陽園

今日は午後から学校で工作活動(?)の続きがあるらしいけど残念ながら塾と被っちゃったのでパス…というわけでまぁいつも通りの土曜日。


のはずだったんですが。


昼頃にid:abu207氏からこんな内容のメールが来てひっくり返りそうなくらい驚いたわけで。






甲陽園脱線事故てマジか』


な、なんですと…!?
慌てて阪急の運行情報を見ると確かに脱線事故で運休中になってる…。



というわけで、塾の用意を持ったままチャリを飛ばして現場に急行。
坂の途中で『阪急バス』という表示を出した代行バスと思わしきバスとすれ違う。
そして現場付近に到着。広い歩道の終端部分では代行バスの乗り場との案内をしていました。
甲陽線の西側は家が立ち並んでいて現場がいまひとつ見にくい状態だったんですが、家と家の間から覗き込んでる人がたくさんいたので見てみると…


脱線した阪急6010F@甲陽園(その1)
(ノ∀`) アチャーこりゃ確かに脱線してますね…。。


封鎖中の甲陽園駅にて(その1)
普段の土曜の昼なら夙女や甲陽などの生徒で賑わっている甲陽園駅には兵庫県警の『立入禁止』のロープが張られていました。


現場の東側はフェンスを挟んですぐに道路になっていたので、そこに向かってみることに。


脱線した阪急6010F@甲陽園(その2)
フェンス越しに見た先には、ポイント部分で1両だけレールからはみ出して傾いた当該のC#6110の姿が…。
甲陽線を長年使ってきて、基本的に5編成、予備編成を含めても6編成しか入線しないこの線で、いつもよく使っている6010F、とりわけ夙川での乗り換えに便利なこのC#6110にはおそらく何百回という回数乗ってきたわけでして、その車両がまさに今この目の前で脱線事故を起こしてる姿ってのがどうにも信じられません。おまけに長らく事故とは無縁だった阪急ですからなおさら。話によると、どうやら阪急が最後に起こした有責事故はなんと1978年の1月21日にまで遡り、それ以来昨日まで11199日にわたる無事故記録を樹立してきた阪急。その偉大なる記録がとうとう11200日目にして途絶えることになってしまいました。甲陽線に至ってはおそらく1963年6月5日に夙川の車止めにC#663が突っ込んで負傷者21人を出して以来のような気がします。いや、むしろここまで続けてきたのが相当凄いのは間違いないんでしょうが…。。


周辺には阪急の社員や兵庫県警の警察官のほかに、カメラを持った報道陣の姿も。そしてもちろんたくさんの地元民の姿が。しかし幸いにも負傷者は全くいなかったというのもあってか、いわゆる『あたりは一時騒然となった』というような空気はあまりありませんでした。むしろ『あーこりゃやっちゃったなぁ…』的なことを話していた人のほうが多かったような気もします。

封鎖中の甲陽園駅にて(その2)
甲陽園駅のホームに半分入りかかったところで脱線し停車。今はパンタを下ろした状態で止まってます。


これから一旦塾に向かうことにして、さっきの代行バス乗り場まで歩いて向かう。徒歩2分ほどってとこでしょうか。
今現在はバス5台ほどでピストン輸送をやってるらしく、しばらく待っていれば来るとのこと。切符売り場も閉鎖されててどこで切符を買えばいいのか分からなかったんですが、聞いてみたら切符はいいからそのまま乗ってくれ、とのこと。
それを待っている間も、上空では空撮での取材に来たと思われるヘリが飛び回っていました。
報道ヘリ


そして少し経った後、ようやく代行バスが到着。
代行輸送中の阪急バス@甲陽園
実はこの甲陽線建設にはちょっとした経緯があって、かつて阪急と阪神の仲が目の敵にし合うようなライバル関係にあった時代に阪神甲陽園までトロリーバスを走らせる計画が持ち上がり、阪急が慌ててそれに対抗して阪急甲陽線と作ったんですが、その名残として今でもこの区間は阪急に沿うようにして阪神バスが走ってます。そんなわけで甲陽園の駅前にはなぜか阪神バスの停留所があるんですが、ここに阪急バスが乗り入れてくるというのはなかなか珍しい光景。


このバスに乗り込んで、阪急バスのルートから苦楽園口橋を渡って苦楽園口の駅前に到着。ここでこの駅からの乗客を乗せる。車内は一気に満員に。
さらに北夙川の交差点からは通常の阪急バスのルートを通って阪急夙川へ。しかし苦楽園の駅前に阪急バスがいるというのはかなり違和感が…。
そして満員のバスは夙川に到着。自分が夙川に着いた頃には、代替輸送にあたっていた阪急バスに加えてさらに阪神バスも数台応援に駆けつけてきました。さすがは同じ会社。
代行輸送中の阪神バス@夙川


で、夙川に入って神戸線ホームに行って甲陽線ホームのほうを見てみると代替輸送を知らせる張り紙、さらには6021Fが白幕でパンタを下げた状態で留置されていました。
留置中の阪急6021F@夙川


この後とりあえず遅れて塾に行き、終わってからは仕方なくミドリ電化に行ってヘッドホンを修理に出すとともに予備確保も含めてもうひとつ購入。なんか負けた気がするけど気にしたらもっと負け。
さらに、今日は献金館で無料でセンター試験の出願用の写真を撮ってくれるとのことだったので、申し込んだ17:45に間に合うように行って、冬服(?)に着替えて写真撮影。献金してる分をこうやって少しは取り戻さないとね。カメラマンさんがなんかアンガールズの山根に似てたのが個人的にウケた。


さて、帰りはまず神戸線で夙川へ。
調整中の発車案内@夙川
なぜか夙川の下りホームの案内が調整中になってました。


改札を出て、普段乗る目の前のバス停ではなく代行バスが出ているのはその横、普段は甲山方面に向かうバスが発着している乗り場。しかしこれほどここに大量にバスが行き来してるのは見たことがありません。


代行バスに乗り込む人々@夙川


代行バスはピストン輸送で逝っとけダイヤ状態なので、なかなか来ないこともあれば京都の市バスのごとく団子になって来ることもあり、その都度神戸線との接続によって乗れないほどにすし詰めのものからガラガラのものまで。自分が乗れたバスは空いてました。
で、苦楽園で降りても自転車を取りに行けないので再び甲陽園まで乗車。沿線は事故の影響もあっていつになく大渋滞。結局甲陽園までかなり時間がかかりました。一応大社中学校の前の交差点やいわゆるハルヒ踏切のところには阪急の社員さんが交通整理にあたっていましたが、やっぱり大きなバスが通るとなると結構大変みたいですね。
そしてようやく甲陽園に到着。


脱線した阪急6010F@甲陽園(その3)
現場は投光器によってやたら明るく照らされて、現場検証が続けられていました。


代行バス乗り場案内張り紙@甲陽園
甲陽園の駅には、昼にはなかったパソコンで打ち出したバス乗り場案内の張り紙が掲示されていました。


そして再び東側に回ってみる。警察や阪急の社員に加え、ARAICという文字の書かれたタスキ(?)をかけた航空鉄道事故調査委員会も来ていろいろと調査にあたっていました。
脱線した阪急6010F@甲陽園(その4)
脱線した阪急6010F@甲陽園(その5)
こんな感じで台車が見事に脱線、護輪軌条がめくれ上がってひどい状態。
今のところ事故の原因はまだはっきりしていませんが、この6010Fは数日前に検査から戻ってきたばかりで、場合によっては車両側のレールの削正の時に若干のズレが生じたり、写真の摩擦が大きくなってしまったりしたという原因も考えられますが真相は謎。でもなんとなくいつしかの神鉄有馬口の脱線を彷彿とさせます。
しかしまだこれが17km/hで走ってたうえにちゃんと止まったから良かったものの、運転士があのまま異常に気づかずにそのまま走らせてしまっていたら脱線した状態でホームに激突していたかもしれないと思うと…なんか怖いですね。いやー怪我人が出なくて本当によかった。


ちなみにこの日記を書いてる2:40現在ですが、結局あの後2両を外して一旦駅のホームの奥のほうまで入れてからジャッキアップでC#6110を復帰させ、連結し直してなんとか自力回送で戻って行ったようです。
ただ、事故調がOKを出さないと再開できないこともあって破損した線路などの修理に加え、ちゃんと原因を突き止めて対策しないとすぐの復旧は難しいのかもしれません。しかし今日が休日だからまだ良かったものの、平日のラッシュのあの人数をどう頑張ってもバスで裁ききれる気がしないのでなんとか明日中に復活して欲しいんですが、果たしていつ復旧できるのやら…。とにかく一日も早い復活を願います。