それは春の夢の如く

※写真に関して、このあたりの判断はちと迷ったところなんですが、とりあえず基本的には顔にぼかしを入れてます。ただし、ステージものの本番に関してだけは人前でのちゃんとした発表ということで入れてません。自分のこの写真はやっぱりぼかしといて!とかの意見などありましたらコメント欄まで。


朝は昨日と同じ時間に起床。親に芦屋まで車で送ってもらって、そこからはいつものように学校へ。


天気は申し分のないくらいの快晴。


中庭にて
いよいよ今日が自分たちの6年間の集大成。


文化委員で視聴覚室に集まって集会。もうこうして朝に集まって決起集会を開くのも今日が最後です。
朝の点呼まではまだ時間があるので、台氏(仮称)と一緒にスタクワのチラシをあちこちに置きに行く。
古本売り場のところにも置いてもらえることになってたのでまずそこへ。クラ研の待合室にも置くことになっていたのでそこにも。さらには隣の福祉委員会も友生のあの時以来のつながりで置かせてもらえることに。
そうこうしているうちに点呼の時間。慌ててグラウンドへ出て点呼。
ハセベン師(仮称)がしばらく喋った後、文化委員長のジェームズ氏(仮称)が喋り、そこでの気合いのかけ声とともについに文化祭2日目がスタート!!


まず自分は新校舎2階に戻ってチラシの整理をしていたんですが、ヨシズミ氏(仮称)の提案で休憩室のところにも置かせてもらえることになり、なんとこれで新校舎の2階のフロアには全ての教室にスタクワのチラシがあるというかなりの密集地帯に。果たしてこれだけまとめて置いても意味があるものなんでしょうかね。
休憩室にて
机がいくつかまとめて並べられていてゆっくりできる来客専用の休憩室には、自分が頼まれて選曲した落ち着いたケルトやスムースが流れていました。


9:00からいよいよオープニングというわけで今日も中庭へ行って鉄研とスタクワの宣伝。今日はどれぐらいの人出になるんでしょうか。
10:00からは文化委員での本部の仕事があたっていたんですが、それまでは暇なのでチラシ配り…の前に、昨日わずか1〜2時間で完売したおかげで食べられなかった、今年から新しく売り出される『カレー屋さんのカレーパン』(120円)を食べてみる。パン自体は普通なんですが、確かに中のカレーがかなりハイレベルでした。こりゃなかなか美味しいね。
そして食べ終わった後は、台氏(仮称)と一緒に、A1サイズの大きな看板を持って声を上げつつスタクワのチラシ配り。基本的に外部からの人は本部でパンフを受け取った後そのまま左側へ行くことが多いので、視聴覚室方面へと分岐する手前のところで効率よく配りました。途中でM氏(仮称)なども手伝ってくれて、あっという間に予定数終了。昨日見てくれたという人も声をかけてくれたりしたのが嬉しかった。ちなみにその横では10時から開始の『ブルドー座』による灘校版のロミオとジュリエットを女装したikutake氏(仮称)たちが一生懸命宣伝してました。『ロミオも男、ジュリエットも男!』とか言いながら宣伝してたのには吹いた。アッー!!


10時からは本部の仕事があったので放送室へ。どうやら放送を使っての宣伝もできるっぽいということが判明。こりゃまた午後に来なければ。
ここの仕事というのは椅子に座って落とし物や迷子などの対応をするものなんですが、基本的にはかなり暇だったので一緒に担当にあたっていた高2の子とひたすら話してました。
定期券や時計、安そうなハート形の指輪などいろんなものが届いたものの、結局1時間中に取りにきた人はゼロ。でも、途中に砂金掘りをしてる間にはぐれたという小4のやたらしっかりした迷子ちゃん3人組はすぐに親御さんが迎えに来たので一安心。しかしあれほど危機感のない迷子ってのも珍しい…!?


11時からは、ずっと見に行きたいと思ってたのに見に行けてなかった視聴覚室の『住吉町新喜劇』へ。
住吉町新喜劇にて
とある学校の文化祭での模擬店カフェを巡って起こる数々の騒動。意味の分からない帝国陸軍から不良借金取りまで現れ、最後はメイドさんの女子高生は実は男だった!!という壮絶なオチまで付いたドタバタストーリーでしたがなんかめちゃくちゃ面白かったです。昨日はこれを見てベトナム(仮称)や塩爺(仮称)が爆笑してたという目撃証言があったんですがこりゃ爆笑するわ。それにしてもあのマイケル氏(仮称)があのキャラで不良借金取りをやってるところがかなりギャップがあって意外でした。さまになってるようななってないような…?w


終わったら時間が迫ってきてるので急いで中庭へ。そして、2日目のODORIBA企画が始まりました。
お客さんは確かに1日目とはケタ違い。しかも天気も最高で中庭はとんでもなく暑い。
一発目、まずはワタル氏(仮称)とM氏がDEPAPEPEのギターデュオを爽やかに響かせる。今日は昨日と違って音響もバッチリ。アコギの乾いた音はこの晴天によく似合います。
次は高2から唯一参戦の『アールグレイ』。SMAPの曲のメドレーと『Dear WOMAN』の歌とダンス。やっぱりこういうジャニーズ系の曲って爽やかで良いですよね。5人の中の2人は去年のODORIBAでもKinki Kidsの曲を歌って踊っていたんですが、来年もきっと何かやってくれることでしょう。楽しみです。
そして、いよいよ我らスタクワの出番!!
中庭には満員の観客。中2の時に初めてステージに立って以来毎年のように歌ってきたこの文化祭のステージ。いよいよこの舞台が中庭で歌う最後のステージです。
登場して早速司会による紹介があり、こちらも軽く自己紹介してから『Love Love Love』を熱唱。
昨日頑張り過ぎたのが祟って台氏(仮称)は今日は喉がかなりヤバい状態のようですが、それでも今までの中でもかなり良い出来だったんではないでしょうか。
歌い始めて、途中から観客の皆さんの手拍子も入り、楽しく、そして気持ちよく歌うことができました。なんというか、この青空の下での中庭ステージって最高なんですよね。気持ちいいし、たくさんの人が見に来てくれるし、これほど気持ちいいステージというのもなかなか経験できるものではありません。そういう意味では、他の人よりもだいぶ早く、中2からこういう舞台を毎年のようにもらっていた自分はもしかしたらかなりの幸せ者だったのかもしれません。
そしてもちろん、歌い終わった後に講堂でのライブの宣伝もしっかりしてきたというのは言うまでもなく。


こうして中庭での自分たちの出番は終わりましたが、ODORIBA企画はまだまだ続く。
ODORIBAにて
自分も途中から観客席のほうへ行って、本当は昼食代わりにフランクフルトでも買って食べようかと思っていたんですが列が長かったのでアイスに変更。というわけで、30℃ほどまで上がった真夏のように暑く、そして熱い中庭ステージを見ながらアイスを食べていると、うちの家庭教師の先生も登場。今年も見に来てくれてたんですね。
そしてやっぱり2日目のほうが1日目よりも全体的にハイレベルでした。昨日から注目していた大きな古時計→Don't Stop Me Nowを踊るグループはやっぱり今日もキレが最高。そしてジョバンニ氏(仮称)も昨日失敗してしまったバック転を今日はバッチリ決めて、結局このチームは文句無しの優勝。いやーこれはやっぱり凄いわ。最初から最後までしっかりと動画で撮ってしまいました。


で、この企画の後は毎年恒例の大人気企画『美少女コンテスト』。
美少女コンテスト。そう、美少女です。だがしかし、言うまでもなくうちは男子校。
もはや言うこともあるまい、そう、多分大方の予想した通りの『女装コンテスト』です。
最近世の中では『オネエ系』のカリスマ達が華々しく活躍し、『学校へ行こう!MAX』では女装男子企画で東京ガールズコレクションにまで出てしまうというなんとも変な、いや面白い時代。その流行に5年、いや10年近く先駆けてこの『美女コン』は毎年人気を博していたわけですが、まぁ女装というといったいどんな気持ち悪いのが出てくるのかと思いきや、ビックリするほどレベルが高いのがうちの美女コン。多分TVでやってたアレにもメイク以外ではほぼ遜色ないレベルで、半分ネタ企画のはずなのにこれは端からどう見てもガチ企画。多分そんじょそこらの女子と並べてみても余裕で勝てそうなぐらいの兵ぞろいなのです。
…とまぁ、それだけ人気の企画なわけですが、自分は残念ながらクラ研の出番が回ってきそうなために一番最初のA氏だけしか見られなかったんですけどね。
で、その最初の人。
美少女コンテスト決勝にて
いや、すいませんこれ普通にめちゃくちゃ可愛いと思うんですけど。
…という自分の感性はどうやら間違ってなかったようで、結局A氏がここ2年ほどロリ路線でお兄様方をメロメロにし続けた中学生のT氏などをおさえて見事に優勝したそうで。まぁ普段から美男子なんだけどね。
それにしても、この企画を見てると何となくですが某教師のようなゲイな人とかジェンダーフリー(!?)な人とかの気持ちが分かるような気もしなくはないあたりがなんとも恐ろしいもんです。まぁ自分はその手の趣味はないけど。


そして今度は慌ててクラ研へ。しかし、着いたらなんか音楽室に長蛇の列が出来てるんですけど。。
これはどうやら、去年クーラーもつけずにコンサートをやっててあまりの混雑で人が倒れたというのを受けて今年から音楽室に定員を設け、それを超えた分は整理券を発行して2階のモニター付きのクラ研休憩室に上がってもらうということになったからなんでしょうが、もうその整理券も500番を超えてて待っている人数はなんと100人以上。休憩室の椅子さえ足りず『休憩室の休憩室』が欲しいような状態になってるようで。せいぜい中学生高校生のクラシックの演奏を聴くためだけに1日に1000人近くの人が来て、入れない人は1時間待ちとか絶対どこか間違ってる気がします。えぇ。
自分は自分で衣装をクラ研モードにチェンジするともうすぐに出番。昨日やたら暑かったので今日は絶対空調つけといて!と言っておいたのでちゃんと空調は効いてるし、整理券のおかげでぎゅうぎゅう詰めの立ち見とかもいないので落ち着いてました。
よくよく考えると、灘校に入ってこうしてクラシック研究部という部の一員として音楽室で演奏するのもこれが最後です。


まずはシューベルト。弾き始めた瞬間、音がヤバかった。2日前に調律したとはとても思えないような音。ヤマハのC7とかC6とかってこんなに音酷かったっけ?と思うほど。1日目も十分酷かったんですが、うちの母親が言うようにクラ研とかで酷使しすぎて、わずか3年ほどしか経っていないにも関わらずもう寿命が来てるのかもしれません。
そういうわけでなんか自分の弾いてるはずの音と聞こえてくる音のギャップが激しくてかなり弾きにくかったんですが、このシューベルトの曲は自分が小さい頃、母親が弾いているのを聞いてとても気に入っていたという曲。完全に自分の好みで選んだ曲なんですが、そういう思い入れもある曲なのでなんかこれが弾けて嬉しいです。
そして最後はリスト。カンパネラとかのシリーズの終曲というだけあって見た目以上に難しい。
練習不足もあって結局かなりコケまくりましたが、それでも空調や気合いのおかげで昨日よりはまともな演奏ができたような気がします。
このクラシック研究部という部も、あんまり人との繋がりは無かったとはいえ、なかなか得られないような演奏会の機会にたくさん出会うことができてすごくいい経験ができたんじゃないかなぁと思ってます。短いようで長く、長いようで短かった6年間。それでも、自分が幼少時代から続けていたピアノを未だに続けていられているのは、このクラ研があったおかげなのかもしれません。


…と、感慨に浸れるのも束の間、とりあえず再び慌てて着替え、今日はドーナツやらおにぎりやらに加えてジョリパのピッツァの差し入れもあったのでいくつか食べてから今度はスタクワモード。
時間がかなり迫っていたんですが、まずは放送室に行ってスタクワの宣伝の放送をかける。
そのまま講堂へ向かい、予定の14:20。しかしひとつ前のバンドはまだまだ終わる気配がありません。どうやら、中庭のODORIBAの進行が遅れたために『羞恥心』のグループに出ていたS氏が大講堂に来るのが遅れ、その遅れを後々まで引きずってこうなってしまったのだとか。
そうこうしている間にも講堂には続々と人が入ってきます。しかし、バンドの轟音や講堂の暑さで帰ろうとしてしまうお客さんもいたので、自分と台氏(仮称)の2人で頑張って事情を説明して引き止める。
そうして引き止めている時、ふと声をかけてくれる人が。あれ、あなたは…もしかして…!?
そこにいたのはなんと、自分が中2の文化祭で初めてステージで歌を歌いたいと言った時、ギターで伴奏をしてくれた先輩のM氏。今ではゴスの北山さんの『知り合いの知り合い』だとか。
自分が出ていることを知ってか知らずにかは分かりませんが、あの年以来一度も会ったことのなかったM氏に再会したのが最後の文化祭の最後の舞台とは…。これも何かの縁なのかは分かりませんが感激しました。


いよいよ前のバンドの演奏が終わり、我らスタクワの、そして自分の高校生活最後のステージの幕開け!!


ハッチポッチで颯爽と登場。微妙にズレたもののなんとかフォロー。
そしてステージから客席全体を見渡すと…まさかの超満員。客席の後ろにはなんと立ち客までいる…!?今までブラバンで毎年閑古鳥の鳴く講堂で演奏してきた文化祭、講堂にこれほどの人が、それも自分たちの歌を聴くためにわざわざ集まってくれるなんて…!ホントに嬉しいことこの上ないです。
そのままの流れで1曲目『ひとり』。
この曲は去年の文化祭で初披露された曲で、自分の敬愛するゴスペラーズを『永遠に』とともに一躍有名にしたアカペラ曲。ファルセットの使い方も非常に重要になるこの曲だが、去年の文化祭よりも確実に進歩したスタクワメンバー、しっかりと歌いこなすことができた。
そして、ここから2曲はアカペラは一休みで、伴奏に狼氏(仮称)が入る。
2曲目。コブクロの『桜』。
友生の文化祭に呼ばれた時に披露した曲で、その時はピアノがマイケル氏(仮称)、ギターがこんちゃん氏(仮称)の担当だったが、あのときはピアノが崩壊して今回は狼氏(仮称)に任せるとマイケル氏(仮称)が公言したためにピアノはバトンタッチ、そしてこんちゃん氏(仮称)は今回バンドに漫才と非常に忙しかったために中庭でギターも披露したワタル氏(仮称)がギターを担当。
メインボーカルは自分と台氏(仮称)。彼はもともと歌が上手いのだが、それでも本当にいつもステージに立つたびに毎回相当腕を上げているのが分かる。自分は比較的柔らかく歌うタイプだが、台氏(仮称)のしっかりと張った伸びのある声はかなり魅力的。今日は昨日の頑張り過ぎで喉の調子が万全ではなかったものの、『コブクロそのままのを聴いてるみたいだった』と観客に言わせてしまうほどの演奏ができたのではないかと思う。
続いて3曲目、『君をさがしてた〜New Jersey United〜』。
これは狼氏(仮称)が伴奏をして、ワタル氏(仮称)以外のスタクワ4人がヴォーカルを務めるという友生の時と全く同じ編成での演奏。
基本的には桜と同じく自分と台氏(仮称)のツインヴォーカルだが、途中からマイケル氏(仮称)とこんちゃん氏(仮称)のコーラスが入り、終盤の盛り上がりの部分では黒人のおばちゃん顔まけのソウルフルな歌声を披露する。
ピアノが入っているおかげで音がとりやすいというのもあるかもしれないが非常に完成度は高く、友生の文化祭ではまさかのアンコールを巻き起こしたこの曲。最後のライブの名に相応しい歌が披露できた。
で、ここからはアカペラに再び戻り、4曲目は『終わらない世界』。
去年の友生の文化祭では残念ながら持ち曲が底をついてしまったために応えることのできなかったアンコール。半年の時を経てそのアンコールに応えるような気持ちで、1日目の友生の歓迎ステージで披露したのがこの曲。スタクワでは初めてとなるアップテンポの曲にチャレンジしたのだが、なかなかノリも良く、観客が手拍子でうまく乗ってくれればかなり盛り上がる曲。今回もちゃんと観客も手拍子で応えてくれたので、ライブらしい一体感が楽しめたのではないかと思う。
そして5曲目は『星屑の街』。
台氏(仮称)と2人で高1の夏(調べてみたら2006年8月28日)に餘部鉄橋に行った帰りに、城崎温泉に浸かりながら『アカペラやらへん?』という話になり、そしてクラスの音楽選択者からメンバーを集めて、音楽の授業の最後の時間の学級音楽会で人生初のアカペラとして披露したこの曲。小6の時に発売されて以来未だに自分の中の『最も好きな曲』なのですが、スタクワにとっても記念すべき一曲目。『Stardust Choir』、直訳すると『星屑合唱団』というグループ名もこの曲からとったもの。
それだけ思い入れのあるこの曲。去年のODORIBAで披露した時よりも確実にレベルアップしているスタクワが満を持して歌い上げたこの曲は、歌っている間になぜか自分まで背筋がゾクゾクしてきた。これが…歌の力なのか…!!
そしてついに最後の曲!『Love Love Love』。
この曲が、自分にとって、高校生活最後の歌のステージなのだ。
手拍子で観客と一体になって、一番長い時間をかけて練習してきたこの曲を万感の思いで歌い上げていると、今までのスタクワの、そして今までの文化祭の楽しかったいろいろな記憶が鮮明に浮かび上がってきた。
…今までいろいろなことがあった。
中学1年の終わり、春の文化祭でステージに出たい人を募集していると聞きつけて、当時の中2からただ一人、何も知らずにステージへ乗り込んだ自分。思えばあれが全ての始まりだった。そして、あの時『さくら(独唱)』と『虹』の伴奏をギターでわざわざしてくれた当時高3の先輩だったM氏。
それ以来ステージで歌うことの楽しさを知り、その次の年もオープニングで歌い、最後の中学学芸祭でもクラ研のアンサンブルに合わせて『アゲハ蝶』を歌い、そしてブラバンに入部し初のライブハウス体験。台風に襲われながらもとても楽しかった合宿、数百人という人の前で歌ったスニーカーの大会。そして夏休みの最後に音楽教師のおっちゃん(仮称)の家に上がり込んで盛り上がった思い出。クリスマスライブであちこちの学校の人たちと一緒に盛り上がった記憶。
そして昔から声をかけていた台氏(仮称)とついにアカペラを組み、音楽の授業で披露。それが好評を博し、去年の文化祭でODORIBAに出場。そこで学校内で非常に有名になって友生の文化祭にも招待され、まさかのアンコールに応えられなかったちょっぴり悔しい思い出。そして、この最後の文化祭―――


最高の気分。今までの人生の中でこれほど最高の気分はもしかして味わったことがないかもしれない。
最後の『Love Love Love〜』の部分で一気に畳み掛け、ビシッと決めて両手を高々と振り上げる。広い大講堂に余韻が響く。そして沸き上がった大観衆の拍手。
そう、これで全てが終わった。…ありがとう。
これで終わりだということがにわかに信じ難い気持ちがした。でも、終わったんだ。


いつか必ず、皆さんの前に帰ってきます!!


そう高らかに叫んだ。
きっと帰ってくるさ。いや、帰ってきてみせるさ!いつかきっと、もっと大きくなって、日本中、いや世界中の人の前へ。




結局最後まで遅れを引っ張った大講堂ライブ、急いで中庭に行ったがフィナーレには間に合わなかった。
でも、満足だった。



最後の点呼の時には既に涙腺崩壊状態。
別に悲しくもない、痛くもない。目にゴミが入ったわけでもない。このあふれ出る涙の理由は何なんだろう。
中2の時の伴奏をしてくれた先輩のM氏は、めちゃくちゃ上手くなってて感動した!みんな声量あって凄い、ボイトレとか自分たちで全部やってるん?東京へ行って音楽を続けてや、と言ってくれた。
同級生のF氏は、涙目になりながらも、本当に感動した。特に桜は最高だった。大学に入っても絶対続けてくれ、と言ってくれた。
音楽教師のおっちゃん(仮称)も、本当にようやった、と言ってくれた。
クラ研の楽屋に行ったら、後輩のつかさ氏(仮称)が今までおつかれさまでした、と言って、クラ研部員からの花束を渡してくれた。
なんか、言葉では表しきれないほど嬉しかった。




…さて、いつまでも感慨に浸ってはいられないわけで、文化祭が終われば当然待っているのは片付け。
これがまた凄いところで、うちの文化祭は15:30に終わってそれから18:00までのわずかな時間で片付けが終わってしまうところ。そのあたりの集中力というか、行動の早さが灘校生クオリティ。
自分も手伝いを始めたんですが、とりあえず文化委員の仕事であたっていたのが中庭。中庭に置いてあった椅子やら机やらを運んだり、受付の余った紙を所定の場所へ持って行ったり。
中庭片付け中
ところで今年もパンフレットは6000部ぐらい刷っているはずで、『1家族1部でお願いします』と言って配っていたにも関わらずもう午後にもなると完全に底をつき、数千部のコピーが活躍する状態。数年前の灘6の時の一見さんが味を占めて常連さんになっちゃってるみたいでその年以来来客数が倍増してるんですが、パンフの部数から考えても来場者数は2万人を余裕で超えてそうな感じで、神戸空港の一日の平均利用者数の倍以上を行っているという驚異的な数字です。
で、中庭はあっという間に片付き、他の教室の机移動もほとんど完了したのが17時前。去年は片付けがめちゃくちゃ早かったということで語られてますが、今年はそれ以上に早く片付けが終わり、生徒会顧問の宮ちゃん師(仮称)にも過去10年でこれほど早い年はなかったと言われたとか。いや〜、片付けまでちゃんと終わって良かった。
そして文化委員は全員中庭へ集合。
高2文化委員集合写真
高2の文化委員一同。来年はとうとう君たちが主役。


高3文化委員
そして高3も正門前で記念写真。これは記念写真撮影前の1カット。記念写真は会誌担当氏(仮称)が撮ってくれたので自分は撮られる側へ。もうなんか最高の思い出です。


打ち上げは本当なら本山の甘太郎にする予定だったのが無理だったので住吉のロイホへ。バイキング形式だったんですが、さすがにロイホというだけあってドリンクバーも含めてひとつひとつの料理のクオリティが安定して高い。おまけにデザートのプチケーキやアイスケーキ、抹茶アイスあんみつまであったりしてなかなか豪華だったんですが、みんなが一通り満足に食べた頃になってから無駄に美味しいトンカツとかの新メニューが出てくるのは凶悪すぎるwwいや、全部一口ずつ頂きましたが。
うちのテーブルは生徒会長の>氏(仮称)が途中まで冷え冷えの空気を作ってくれていたんですが、疲れたようで爆睡状態になって、今度は近くのテーブルがやたら盛り上がってると思ったら高2のマジカル同好会の子が50セント硬貨の瞬間移動マジックなどを披露していてなかなか凄かった。こういうのができる人って憧れるなぁ。
結局多分いつもみたいな焼肉屋よりもずっと満足できる打ち上げが終わり、外に出て一旦集会。文化委員長のジェームズ氏(仮称)に、副文化委員長のはましゅう氏(仮称)からプレゼントがあって、開けてみると『一件落着』という文字がかかれた扇子。いやーこれは気の利いたシロモノですね。まぁジェームズ氏(仮称)もホントにお疲れでした。


そして2次会は装飾班は装飾班で行き、残りもカラオケ班やらビリヤード班やらで分かれることになったんですが、自分はもう満足すぎるぐらいに歌ったし一度ビリヤードというのもやってみたかったのでビリヤードへ。
いつも通っている本山のシャトレーゼの上にビリヤード屋があったのはちょっと驚きでした。
そして8人で台3つを使ってビリヤード。自分は初めての体験だったんですが、だんだん慣れてきたら結構思い通りのところに打てるところになってきて楽しかった。要は幾何と物理とテクニックやね。
最後はヨシズミ氏(仮称)やT氏と別れ、野球部のM氏と2人で阪急に乗って、甲陽線の終電で帰ってきました。


こうして高校最後の文化祭が終わった。
この1週間はまるで夢のような1週間だった。
そして、その夢は文化祭タイトルの『春夢』、文字通り春の夢の如く消えていった。
でも、全てを出し切った、最高の文化祭だった。
今までの6年間、いろいろなことがあったけど本当に素晴らしい6年間だったと思うし、最高のものが得られたと思う。


この61回生のみんな、文化委員、鉄研、クラ研、ブラバン、スタクワのみんな、そして我らが灘校に、乾杯!!