旅行記1日目〜東海道中膝栗毛〜

いよいよ今日から9泊10日という、身内の家などに行かない旅行としては人生最長となる一人旅に出発します。
小学生の時の自分なんてのは、どうしてもなかなか親元を離れられないタチだったんですが、それが今では勝手に旅行のプランを立てて全国を放浪とは恐ろしいものです。そんなことができるようになったのも間違いなく鉄研のおかげなんですが…。


朝5時過ぎに起床。身支度を済ませて出発。
この時間はまだ始発のバスよりも前なので、母親に車で芦屋駅まで送ってもらう。
ここで残り1回分になった赤い18きっぷ芦屋駅の印を押してもらい、とうとうこの旅が始まります。
外は素晴らしい天気。なぜかずいぶん気温も低くなり、出発する前からまるで北海道にいるような涼しい空気が漂っています。
土休日運休の、朝一番の大阪行きの12両新快速に乗り込む。まだ比較的空いている。
見慣れた街を過ぎ、淀川を渡り、すぐに大阪に到着。ここで乗り換えです。
今回の旅行、最初の東京に行くまでの行程は去年の冬に行った時の行程と半分以上が同じなので、運用などもだいぶ把握していたので、降りた時にそのまま次の新快速の乗車口がある場所に乗車。
大阪駅で降りると、既に次の始発の新快速に乗るための行列ができていました。やはり、次の新快速まで1時間開くということでこの新快速に乗る人が多いんでしょうね。
バリアフリー工事によって消滅することになるらしい甲子園口行きなどを見送り、大阪始発の、こちらも土休日運休の8両新快速が入ってきました。
最初からちゃんと並んでいたので一応席も確保し、あとはひたすら東に進むだけです。
混雑した車内には、スーツ姿のビジネスマンから軽装備の若者、中高年ハイカーまでいろいろな人がいるようでした。
中京都で大量の乗客を降ろし、ようやく落ち着いて来た車内では…と思いきや、逆に京都からは降りた人以上に乗ってきた人のほうが多い始末。そして、そこで乗って来た通学客を含めた多くは大津あたりで下車。案外、県境越えでの通学をしている人は多いようです。
もうすっかり高く上がって来た太陽を見ながら、朝日を浴びた新快速は湖南の田園地帯をひた進み、気がつけば終点・米原に到着。
冬の時は乗り換えが非常に楽だったのに、今回は階段の上り下りが必要だったので、重い荷物を背負ってとりあえず陸橋を渡り、次の大垣行きに乗り換え。こちらは前回と同じく373系の3両編成。
急いで乗り換えたため座席もまともなところを確保し、リクライニングシートを倒してまったりと外の風景を見ながら進みます。やっぱり、特急としては物足りなくても間合い運用の普通とかで乗ると良いクルマだと感じる車両です。
やたらとカーブが多いこの区間ワイドビューな側窓からは時折強い太陽の日射しが照りつけてきて少々暑い気もしないでもない。しかし山際になればそれも隠れて快適。まぁそれにしても確かに冬には雪がよく降りそうなところですね。
そして岐阜県に突入し、ある意味名古屋通勤圏の最も西に位置する関ヶ原に到着。そこには詰め所みたいなところがあるんですが、その前で乗務員さんみたいな人が大勢でラジオ体操らしき体操をしていました。
途中駅から乗ってくる人も多く、2ドアという車両の性質上だんだんとドア付近に立ち客が多く出始め、それなりの混雑率で終点・大垣に到着して、ここではまた階段を通って乗り換えです。
313系5000番台&117系東海色@大垣
…このブログをしっかりと読んでくれている皆さんなら『あれ?こんな写真前にも…?』と思ったかもしれませんが、それもそのはず、今回も例によって前に使った行程と同じわけで。
そういうわけなので運用もそのまま、到着したホームもそのままで、前回と同じく階段から離れている一番前の車両は空いていたので余裕で窓側に座れました。
ここからは、今となっては数えるほどしかない浜松乗り入れの新快速に乗って一気に浜松を目指します。
車両は在来線としては最高級のグレードと評される313系5000番台。スムーズな加減速や揺れの少なさ、そして静かすぎるモーター音にむしろ物足りなささえ感じつつも、性能のいい313系新快速は快調に飛ばしていきます。途中、今年の春に開業したばかりの野田新町駅も通過。確かに真新しい印象でした。
前回乗った時は進行方向右側の座席に座っていたんですが今回は左側。同じ路線で同じ時間帯でも、座る場所によって景色というのは全く違って見えるものです。その中には、前は気付かなかったこんな看板も。
ワイター
『使ってよかった 矢崎の ゆ ワイター®
『湯』だから『ワイター』っていうネーミングが素晴らしいですね。『ヌック』『カワック』みたいな。


そして自分の中ではもはや『美味しいものでも食べにふらっと行く』ような場所と化してしまった名古屋を過ぎ、名鉄と並走し、途中近くにレジャー施設のある三河大塚駅に臨時停車し、そして豊橋へ。
ここからは残り30分少々で、全ての駅に停車します。それにしても乗り心地のいい車両だこと。ただ、若干シートが硬い気もしないでもない。特に背もたれ部分。
浜名湖の近くを通り、弁天島付近で700系に横を抜かれ、浜松に到着。
ここで次の列車に乗り換えるんですが、前と大きく違っている点がひとつ。静岡地区のダイヤが改悪された、ということ。
早い話が前は静岡で一度乗り換えたら一気に熱海まで行けたのが、今度はさらに乗り換えが必要になったわけです。で、さらに静岡を通って三島まで行く電車は島田始発、というわけで次の興津行きには島田まで乗車することに。
まぁ大した乗車時間でもないし立っていてもいいだろう、というわけで浜松でゆっくりと駅弁を購入。うなぎ弁当。
そしてホームに上がると案の定、冬よりも編成が短くなって3両に減車されたオールロングシート313系には既に大量の立ち客が。まぁそんなもんでしょう。
というわけで先頭で特に変化もないような車窓をかぶりつきしながら島田まで乗車。しかしまぁ、変化がないとはいってもだんだんと静岡らしく茶畑が見えてきたり、大井川鐵道の路線が見えたりとそれなりに楽しむことはできるのでそれはそれでいいですかね。
思ったよりも18キッパーが少ない印象だったということもあったのか、島田の駅は閑散としている状態。降りた人数も大したことはない。
ここでまた階段を通って地下通路を移動し、5分ほど待っていると始発の普通が登場。こっちは313系と211系の6両と長い編成。
始発なので当然余裕で座れて、車内もまだガラガラ。ロングシートで食事をするというのはマナー的に若干気が引けるところがありますが、これに素直に従っていてはなんか倒壊の陰謀に負けた気がするし、何よりも正面でも隣でも皆さんランチタイムモードに入っていたので自分も躊躇わずに昼食。
うなぎ弁当
というわけでうなぎ弁当で一日遅れの土用の丑の日。まぁこれは後付けだけど。赤ワインで煮込んだといううなぎの身は臭みもないしとても柔らかく、ご当地色の強い駅弁としてもかなりの高評価な部類に入る美味しい駅弁でした。ちゃっかり地元名物のワサビ漬けが入っていたところがこれまたいいですね。そういえば昨日の夜もワサビ漬けを食べた気もしないでもないけど。。
食べ終わってしばらくして、だんだんと静岡に近づくにつれて人も少しずつ増えてはきたもののこれは6両編成、しかも途中の駅では妙に編成の後ろに合わせて止まる駅が多いので先頭車はやはりかなり空いています。
静岡ではさっき乗って来た電車からの乗り換え客も多く含まれると思わしきそれなりの数の客が乗車。島田でも別に始発の三島行きに連絡だとか、そういったことは何一つ触れられていなかったのでしっかりと調べている人しか知らなかったんでしょうか、やはり島田で乗り換えていたのは賢い判断でした。
天気は良かったにも関わらず富士山のところだけはしっかりと雲がかかっていて全く見えなかったものの、興津を過ぎると由比あたりまでは海沿いを走る。ネタ半分でiPodを取り出してYUIの曲でも聞きつつ、ガラガラのロングシートでくつろぐ。静岡地区がオールロングになったのはJR東海の露骨すぎる姿勢とともに正直憤りを感じざるを得ない状況なんですが、まぁ313系は揺れも少なくシートも321系よりかは柔らかく乗り心地の良い車両だし、窓も大きいので空いていれば目の前にワイドな景色も広がるのでガラガラのロングシートというのは個人的には結構好きだったりします。
で、電車は三島行きだったものの次に乗るのは沼津始発ということで沼津で下車。
313系2600番台@沼津
そして熱海まではこれまたロングシートの211系で約20分。結構な数の乗客が次の三島で下車。ここの区間の移動は多いんですかね〜。しかしわざわざここで分断する意味が正直分かりません。おかげで熱海14時の快速アクティーにギリギリ接続がとれなくなったし。
丹那越えの後、熱海手前で少し停車してから熱海に到着。ここからは今日の目的地であるホテルのある池袋に行くんですが、初めて熱海で改札を出て正面まで行ってみる。
熱海駅にて
こんなところに足湯があったなんてのは初めて知りました。
211系5000番台@熱海
乗って来た列車の折り返し、211系5000番台。
で、ここからは211系使用の15両普通があったのでそれに乗って行くことになったんですが、そこに現れたのはなんと211系のトップナンバー編成。これはラッキー♪
クハ210-1
小田原までこの電車に乗って行くわけですが、正直この区間に15両なんてのは明らかに供給過剰。そういうわけで自分とあと1人ぐらいしか乗っていない最後尾の車両で、東海道本線で最も景色の良い区間を楽しみながらわずか20分程度で小田原に到着。
E231系湘南色@小田原
ここからは、湘南新宿ラインから高崎線に直通する高崎行きの特別快速。E231系の15両でしたが、こちらはそれなりに人が乗っていました。
E231系は211系に比べると窓も色付きで明らかに見える景色が暗いしシートもベンチな安物車両。…ではあるんですが、飾り気のない素朴な乗り心地は、ある意味大量生産された古き良き時代の国鉄型車両に通じるところがあって嫌いではないですね。墜落インバーターも面白いし。
東日本の東海道線で唯一まともに飛ばせるといわれる横浜までの区間を快調に進み、横浜からは横須賀線を抜けて大崎に入り、新宿を過ぎてしばらくするともう池袋に到着。これができたおかげで首都圏の東海道線の混雑が劇的に緩和されたといいますが、確かにこれはめちゃくちゃ便利ですね〜。多分、関西でいったら尼崎から天王寺あたりまで一気に抜けるような感覚。どうでもいいけど、いつも江ノ電に逃げていたので大船〜藤沢間をまともに昼間に乗車するのは今回が初めて。
そして池袋で下車し、北口から5分ほど歩けばもうそこは今日の目的地、東横イン。いや〜それにしても東京って近いですねぇ〜(もはや感覚がおかしい?)。


少しゆっくりした後、暇だったので再び池袋駅へ。
特急スペーシア@池袋
もちろん知ってはいましたが、こんなJRの駅に私鉄の車両が乗り入れてくると関西人の自分からすると相当違和感を感じます。
で、夕ラッシュの埼京線の通勤快速で205系に久々に乗車し、爆走モーター音を愉しみながら武蔵浦和まで行く。途中、200系のリバイバル色編成にも遭遇。
南浦和にて
やっぱりステンレスには夕日ギラリンがよく映えます。
そこからは武蔵野線に乗り換えて新松戸まで。205系なのにVVVF搭載で妙な違和感が。
で、この武蔵野線。特にそれまではこれといった印象もなかった路線だったんですが、途中特に何もないようなところも通ったりして、まだ武蔵野らしい風景が残っているところもあるんだな〜と妙に感心した自分でありました。どうでもいいけど、自分の近くに立っていた初老のおじさんがDSでポケモンのダイパを必死でプレイしていてちょっと気になりました。しかも使っていたヤルキモノ(微妙にマニアックなパーティ)が無駄に強い…。。
そして新松戸に来たわけですが、ここからは今度E233系に置き換えられるという203系に初乗車。状態にいい201系とは対照的に、あちこちで『汚物』呼ばわりされている可哀想な存在ですが、…ん〜確かに分かるような気もします。チョッパの爆音もちゃっかり録音。
そして我孫子まで来たわけですが…ここまで来たならするべきことはただ一つ。そう、我輩は鶏になるためにはるばる此処までやって来たのである!!(謎)
唐揚げそば
そういうわけで今回も弥生軒の『唐揚げそば』(もちろん2個のせ)を堪能。今回は2回目ということで前回ほどの感動こそないものの、やっぱりこれは凄い。全国に美味しい駅そばは数あれど、見た瞬間にキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!と叫びたくなる駅そばはおそらくここだけです。…それにしても冬に来た時と行動パターン似てるなぁ…。
ここでは、テニス部の部活帰りと思われる女子中学生の集団が店に入ってきましたが、『今晩は家で焼肉』とか言ってるわりには普通に唐揚げそば(2個のせ)を平らげててよく食べるなぁと。ところで、ここで唐揚げだけをお持ち帰りで売ってくれるということをその時に初めて知りました。これだけ買って帰れば多分それだけで夕食のおかずには十分なりますよね。
食べ終わった後、特急待避で長時間止まっていたE531系に記念すべき初乗車。しかも初乗車がトップナンバーでテンション上がりました。まぁ、車両自体は典型的な『走ルンです』でしたが。そして、あちこちの線区でダイヤが乱れまくっている情報が流れている車内から流れて行く夜のライトを眺めながら、都心へと戻ることにします。
日暮里で降りて山手線で池袋に戻り、コンビニで飲み物やゼリー、ヨーグルト、そして野菜ジュースを買ってホテルに戻り、そして就寝。
そんなこんなで旅の一日目、なかなか幸先の良いスタートでした。

車番・乗車距離

芦屋〜大阪:東海道本線・新快速/大阪、クモハ223-3015
大阪〜米原東海道本線・新快速/米原、クハ223-2003
米原〜大阪:東海道本線・普通/大垣、サハ373-13
大垣〜浜松:東海道本線・新快速/浜松、313-5008
浜松〜島田:東海道本線・普通/興津、クモハ313-2505
島田〜沼津:東海道本線・普通/三島、クモハ313-2603
沼津〜熱海:東海道本線・普通/熱海、モハ210-5063
熱海〜小田原:東海道本線・普通/東京、クハ210-1
小田原〜池袋:東海道本線湘南新宿ライン・特別快速/高崎、モハE230-3560
池袋〜武蔵浦和埼京線・通勤快速/川越、モハ205-251
武蔵浦和〜新松戸:武蔵野線・普通/西船橋モハ204-5060
新松戸〜我孫子常磐線・普通/我孫子、モハ203-16
我孫子〜日暮里:常磐線・快速/上野、クハE531-1
日暮里〜池袋:山手線・内回り、モハE230-506
●乗車距離(1日):679.3km
○乗車距離(旅行累計):679.3km