文化祭2日目

文化祭

5月3日 朝。いよいよ今日が真の本番、そして最後の日。
数ヶ月前からずっと今日のために準備を重ねてきた集大成が、今日。示されることになります。
そう、泣いても笑っても今日が最後。悔いのないようにしなければ。


朝は昨日と同じく7:30に集合がかかっていたんですが、昨日より早めに家を出る。外は快晴。
去年の文化祭の日もそうしたように、せっかく早く起きたんだから甲南山手でなはつきの写真を撮ってから行くことに。
そして甲南山手に到着。
EF66-44牽引カモレ@甲南山手
なはつきが来る前にEF66の44号機牽引の2052レが駆け抜けて行きます。
そして予定通りになはつきが来て、写真を撮ってそのまま学校へ…というつもりだったんですが、その時間になっても来ないので少し待つ。
223系@甲南山手
しばらくして同業者による情報が入って、1〜2時間ほど遅れているとのこと。こりゃさすがに無理だと思って諦めて行くことに。残念。まぁ、何度も撮っているのでいいかな。


学校に着くと、中3?がバルーンアートの準備の続きをしていました。
バルーンアート準備中
いや〜ホントにお疲れさまです。思えばあの頃はすごく青春してたな〜。今から思い出すととってもいい思い出です。でももうやりたくはないですけどね。
文化委員全員が視聴覚室に集まり、最後の全体での決起集会。
文化委員集会
仕事や片付けの説明が一通り済んだ後、解散。いよいよですよ。
中庭にて(その1)
五月晴れの爽やかな天気。降り注ぐ朝日に燦々と照らされた鯉のぼりと中庭のステージが、今日の祭りを予感させます。ここもあと1時間足らずでたくさんの人で埋め尽くされることでしょうね。
その後鉄研にも少し手伝いに。今日もプラレールは至って順調でした。
鉄研プラレール(その2)
鉄研黒板イラスト
8:40になり、グラウンドで点呼。
ハセベン師(仮称)や文化委員長、そして生徒会長がいろいろと喋った後、いよいよ始まりました。
点呼で文化委員長が、『6時までに片付けまで全て終わらせることではじめて文化祭の成功を意味する』みたいなことを言っていてちょっと感動。教師ならともかく、こんなことを言う文化委員長はそうそういないです。
だんだんとお客さんが入ってきて、中庭にも人が集まってきた頃、2日目のオープニングが始まりました。
2日目オープニング
ステージに上がっているのは高3の文化委員。彼らにとっては、今年が最後の文化祭。
面白そうな企画が目白押しでしたが、鉄研もなんか一気に人が増えてきたので手伝いに行き、昨日は間に合わなかった2つ目の小レイアウト製作をしていました。
鉄研小レイアウト2
こちらは街のレイアウト。街はすぐに建ってきたものの、困ったことに駅のホームが見当たらなかったのでNゲージの箱か何かに入っていたクッション材で無理矢理代用。しかし、案外違和感無く溶け込んでいるあたりはなかなかだと思いませんか?
鉄研にて(その2)
鉄研の第2展示室。例年ならばこの展示室はわりと閑散としているんですが、今回はなかなかの混雑っぷりです。
ちなみに差し入れがいくつかあったんですが、売店で買ってきてくれたサンドウィッチに、北海道のバター饅頭、さらには岡山のきびだんごと、軽く物産展みたいになってました。
差し入れ物産展
ところで第1展示室は例年通り混雑していたものの、なぜ第2展示室がそれほどまでに混雑していたのか、その理由といえば…
鉄研にて(その3)
プラレールおもちゃ屋さんの販促レイアウトにそのまま使っても良いぐらいの巨大なレイアウトに、小さなお友達の視線は釘付け。さらには音までいろいろ鳴ってくれるうえに、青いレールに黄色い車輪の視覚的インパクトも合わさってか、非常に高い人気を誇っていました。
ところで第1展示場の大レイアウトのほうはというと、こちらも大人気。
しかしプレートのつなぎ目部分がうまく揃っていなかったりなどで、例年に比べても脱線多発のうえに稼働率が低く、新線の開放運転も2線のうち1線しか稼働できてないような状態でした。
そして自分はそこで、マイクを使って案内のアナウンス。これが思ったよりも効果があったようで、アナウンスした後などは模型に触ったりする人がかなり減りました。
で、今日は時間がそこそこあったので鉄研で手伝いをしていたわけですが、せっかくなので中庭のほうにも出てみることに。
中庭にて(その2)
やはり、始まる前からは想像がつかないくらい人で埋め尽くされていました。とにかくすごい。
校門前にて
校門前を行き交う人も多数。天気が良いのも手伝って、例年に劣らず大盛況です。
ツツジの花
入り口のところには、ピンクや白のツツジの花も満開でお客さんを出迎えていました。
そして柔道場のほうから中庭に戻ると高2の企画の真っ最中でした。
中庭にて(その3)


そして今日のメインイベント、ODORIBAこと歌&ダンスコンテストの本番も着々と近づいてきます。
で、そのイベントが始まる前に場を盛り上げる和太鼓の演奏。
和太鼓
今までになかったタイプの演奏で、なかなか良かったです。戦の前の狼煙を上げている時みたいな雰囲気…とはまたちょっと違うんですけどね。
そして、ついに始まりました。最初はカナダ人教師のピーチャー師(仮称)がステージに出てオープニング。この役の使い方はなかなか面白いですね。
まず最初は中学委員長氏(仮称)など2人のユニット『Over the World』。Kinki Kidsの新曲を2人で歌っていました。なんというかカッコイイ!
ODORIBA2日目(その1)
テンポの良い爽やかな音楽でテンションが上がってきたところで、いよいよ我々『Stardust Choir』の出番です。
思えば去年の夏、台氏(仮称)と2人で餘部に旅行に行った時、それまで何度もアカペラをやろうとか誘ってもそういう気のなかった彼がいきなりアカペラがやりたいと言い出し、それなら3学期の最後にある学級音楽会、いや、それ以上に文化祭に向けて頑張らへん?という感じで結成。
メンバーも5人集めて、楽譜を探しに行ったり曲を聴いて音を採譜し、必死で楽譜を作って放課後や昼休みに練習したり。
その成果を見せる時が、とうとうやってきました。
周りにはたくさんの高2の友達。去年までは、自分はなぜかなにかと浮いた存在になってしまっていました。まぁ目立ちすぎてたってのもありましたからね。
しかし、今ではあのいろいろ話題になったアカペラを、高2で唯一中庭で歌うことになって、なんというか『高2の希望の星』みたいな感じで言ってくれる人までいます。なんとも嬉しい限りです。


そして、ステージに上がる。
『ひとり』を熱唱。放送部、今日こそはしっかりとミキシングしてくれると言っていたのにまだマイクがハウリング起こしてます。あ〜ぁ。
でも、曲としてはわりといい感じに歌えてます。
やはり皆さん緊張のためか、一部音程がずれたりすることもありましたが、歌い終わった後には大きな拍手。この拍手、たまりません。この中庭に集まってくれた何百人もの人々、その人たちの拍手が今、我々5人に向かって降り注いでいる。これほど素晴らしいことが他にあるでしょうか。
メンバー紹介をして、今日もマイケル氏(仮称)のミッキーのモノマネは好反応。そして、今日は一旦封印したはずの台氏の狂言のモノマネをやってもらったんですが、めちゃくちゃウケてました。やっぱり上手いわ〜!
そして、とうとう2曲目。『星屑の街』。
思えばこの曲、自分が小6の時、秋頃に発売されて、めちゃくちゃ気に入って1日に何十回もCDをループして聴いていました。
当時は小学校の放送クラブにも入っていたんですが、お昼の放送でも流したりした、思い出深い一曲。今でも自分が一番好きな曲として揺らぎない地位にある曲。
この曲を、いつか完璧な形でカヴァーするのが自分の長らくの目標でした。そして今、その目標が達成されようとしています。
そして歌い始める。キレイにハモれています。
Aメロ、Bメロ、サビと進んで行くうちに、今までの思い出が頭の中に蘇ってきます。
空は雲一つないような青空。中庭には大観衆。この瞬間って、最高に気持ちいい!!


そして、星屑の街、終了。
割れんばかりの拍手とともに、とうとう終わりました。悔いはありません。最高の演奏でした。
遊びにきてくれていた神女の友達は、なんかわざわざ電話で海星の文化祭に行っているレイラ(仮称)達のところまで演奏をリアルタイム中継してくれていたようでした。


続いて高3のダンスグループが続々登場。それぞれ個性的なダンスを披露していきます。
ODORIBA2日目(その2)
中庭タイムテーブル2日目
中庭の背景も中庭のタイムテーブルも高2が担当。タイムテーブルのほうはステンシル的な要領で作られたので、例年に比べると非常に質の高いものになっています。もちろん背景もハイクオリティ。
ODORIBA2日目(その3)
ODORIBA2日目(その4)
そして、この写真に写っているトリを務めたグループ『alma』のダンスが始まり、爽やかでクールなダンスが披露されている時、突如音楽が止まるトラブルが。これではせっかくのダンスが台無しになってしまいます。
…しかし、ここで機転が利いた灘校生。既に踊っていた他のグループ『Re:淫坊主』のメンバーのうちの1人が、とっさにマイクを手に取って一言。
『これはラッキーなハプニング!なんとalmaが、もう一度踊ってくれるそうですよ!!』
観客からは再び大歓声。
正直、恐れ入りました。いやホントに参りました。こりゃ敵わないよ。だって、本当ならライバルとなるべきチームのダンスをさらに盛り上げるために、トラブルをチャンスに変えた絆。感動しました。
そして『alma』の2曲目。TOKIOの『宙船』の曲に合わせてダンス。そしてこのダンスがまた凄い。キレも良いしカッコイイし、後半ではバスケットトスまで飛び出す凄いものでした。バスケットトスなんてのは、それこそ並々ならぬ信頼関係がなければ絶対にできない技ですから。
この『宙船』のダンス映像と我々Stardust Choirの星屑の音源は浮雲氏(仮称)のブログのコメント欄にアップしてくれていた人がいたので後に見せてもらいましたが、やはりこのダンスはとてつもなくヤバかったです。


そして結果発表。
1位はもちろんalma。審査員特別賞としては、数学のA師(仮称)が本当はアカペラの人にあげたかったけどいちばん拍手の大きかったダンスの人にしたということで、結局自分たちは特にこれといった賞はありませんでしたが、高3に花を持たせたということでいいでしょうし、最後のダンスなんかは見てて感動しましたから。
それに、自分たちは賞をとるために来ているわけではないですから、ね。力を合わせてアカペラというひとつの作品を成功させることができてなにより嬉しいです。


ODORIBAが終わった後はうちの文化祭の名物企画、美少女コンテストの決勝戦!!
美少女コンテストというわけで、当然カジュアルな衣装でバッチリキメた子に制服をバッチリ着こなした女子高生、大人っぽいクールな人にロリで萌えなメイドたんなどいろんな人が出てくるわけですが、誰にも共通する事項がひとつ。全員男なんです。そう、これは灘校生による女装コンテスト。
普通なら、女装コンテストと聞けばどんな吐き気を催すような恐ろしく気持ち悪いものかと思われるところですが、このコンテスト、意外に凄い。毎年優勝者を見ていても、もはや女の子にしか見えない、というかむしろ下手すりゃそこらの女の子よりもよっぽど可愛いような人ばかり。というわけで毎年人気の恒例企画になっています。
自分は今年もカメラをスタンバイして客席に…と思っていたら、高3の人に『今仕事入ってる?』と聞かれたので『いやー特にないですけど』と答えたところ、『じゃぁちょっとステージ上がって』と言われたので言われるままにステージに上がったところ、そのまま美女コンのコメンテーターをすることに。こりゃまた美味しい役どころが回ってきたもんです。
審査はあくまで一般のお客さんがするものなので審査こそしないものの、各出場者について一言ずつコメントしてました。しかしまぁ皆さんレベルが高いですね〜。。ちなみに、今年の優勝者は去年も優勝した中学生の子でした。やっぱり可愛いもんね。
さて、それが終わってすぐに、イイ男No.1を決めるMr.灘の優勝者の発表があり、その後は場つなぎ的にバラエティで1位になったコンビの漫才。
漫才
その後は鉄研でまたアナウンスの仕事やらをしていたわけですが、そうこうしているうちにバンドのライブの時間が近づいてきたので大講堂へ。
昨日と同じ曲目で、MCは昨日のものに+αした感じ。だんだんお客さんも増えてきて、リラックスした気分で歌わせてもらいました。
思えば1年余り前。気になっていたブラバンに入り、ライブのラの字も分かっていないような頃に最初にライブハウスのライブを経験する。
文化祭では本番1週間前に頼まれたキーボードをこなし、夏休みには合宿に行った後大会にも出場、青春の1ページとして思い出に残っています。そしてクリスマスには忘れられないあのライブ。あの盛り上がりは最高でした。
そして今。自分はステージに立って、いつものように歌を歌っています。しかし、何もかも1年前と同じではありませんでした。技術も自信もチームワークも、1年前の自分から大きく進歩しています。
このブラバンからは、今日限りで引退し、去って行く高2のメンバーも多くいるようで、このメンバーで演奏できるのもついに今日が最後です。
音楽、最高!


このライブは大成功のうちに終わり、15時のフィナーレに間に合わせるために急いで中庭へ。ちょうど高2の文化委員がステージに上がる時でした。
マイクで感想を聞かれ、自分の口から出た言葉は、
『最高!生きてて良かった!!』
これはネタでもなんでもなく、自分の心の叫びでした。2日間でのべ8つのステージをこなし、それまでには多くの苦労もありました。時には嫌だったことも、辛かったこともあったかもしれません。
しかしそれを乗り越えてこそ、今日の日があったのかもしれません。やっぱり、ステージで何かをしたり、みんなの力を合わせて何かをしたりするのは何事にも負けないぐらい素晴らしいことなんだ、と。
各クラブの責任者のインタビューの後、人気サークルの発表。
鉄研は去年のように優勝こそできなかったものの第2位。クラ研も新校舎部門の第2位。だったんですが、賞品を受け取るクラ研部員がまだコンサートが長引いていたため誰もおらず、急遽居合わせた一応クラ研部員の自分が受け取ることに。全然仕事行ってないのに、一番オイシイところだけ貰っちゃったんですが、これでいいんでしょうか!?
そして文化委員長を胴上げしたりして、ゆずの『またあえる日まで』を全員で合唱。なんというか、これが…思い描いていた青春だ!!最高!!!


そして、文化祭が終わりました。
点呼の後、最後の片付け。
実は、うちの学校の文化祭である意味最もすごいのがこの『片付け』だったりするんですけどね。
とにかく怒濤の勢いで片付け。鉄研ではボードを外してまずは部室に搬入し、それから教壇や机などの片付け。
鉄研片付け中
文化委員などは、各教室のベニヤ板やパネルを移動させ、他の教室に運んでいた机椅子もみんなで戻してくる。
文化祭片付け中(その1)
文化祭片付け中(その2)
鯉のぼりもあっという間に降ろして片付け。
文化祭片付け中(その3)
あの重たく古い机椅子も、あっという間に元の教室に運び込まれて行き、1時間もするとこの状態。
鉄研片付け後
まさか、わずか1時間ちょっと前までここでレイアウトが広げられてたくさんのお客さんで賑わっていたとは思えない状態です。これが、うちの学校の文化祭の凄いところ。


というわけで一通り片付けも済んで、高2の文化委員でまたまとまってみる。なぜか最後のシメの言葉を自分が言うことに。
そして、自分がカメラを持っていたので、高2文化委員だけで記念に集合写真を撮ることになりました。
夕日が西の空に浮かんでいます。
全て終わった後、新中庭でピーチャー師(仮称)にカメラで集合写真を撮ってもらう。みんな超ハイテンションで盛り上がっています。
文化委員集合写真@新中庭
(集合写真のため拡散処理を入れてますので、雰囲気だけでも。)
それが終わった後、もう一度校門の前でも撮ることになったのでそこまで出陣。三脚+セルフタイマーで撮影。そこで三脚があるあたりは鉄研クオリティ。
文化委員集合写真@校門前
今度もまた前に倒れてきそうになりましたがなんとか写せました。
なんというかこのテンションの高さは異常。よく押しつけがましい青春ドラマとかでやってるような感じのものは、あんなのはあくまで『青春』という鍵括弧付きのステレオタイプ的なものでしかないと思っていたのに、実際にこんな絵に描いたような青春を謳歌する時が来るとは…!
そして、高2文化委員の代表のT氏を胴上げ。
文化委員胴上げ
いや〜もう最高に楽しい瞬間!!最後に落とされてしまったという気の毒な事実は敢えて華麗にスルーするとして、もうこれほどまでに楽しかったのは何年ぶりでしょうか。みんな最高だよ!!!


その後、無駄に盛り上がりつつ岡本のほうの焼肉屋で打ち上げ。去年はコース料理のところでほとんどまともなものが食べられずに最悪でしたが、今年は肉の取り合いに発展したりはしたものの楽しく食べられました。T氏が事実上文化委員長出馬宣言みたいなことを言ってました。まぁ彼ならできるでしょう。頑張れ!
さらに二次会は近くのカラオケに。台氏(仮称)とコブクロをハモってみたり、YAH YAH YAHを絶叫したりして、11時頃まで盛り上がってました。いや〜ホンマに最高!!楽しすぎ!!


そして、帰路へ。
自分一人になったとき、ふと考える。
去年までは浮いた存在だった自分が、今年は中心的な存在になってみんなと力を合わせて盛り上がった。これほどまでに素晴らしいことって、他にはないのかもしれない。実際生徒会長のぷよ氏(仮称)にもMVPって言ってもらえたし、友達のN氏曰く『ミスター文化祭』だそうだ。
間違いなく、あの瞬間は青春を謳歌していた。自分が理想としていた人生に、もしかしたらかなり近づいたのかもしれない。
そして、文化祭が終わった後。何もかも終わった気分で、もっと虚無感や喪失感に浸っていることを想像していたのだが、終わってしまったら全くそういうことはなかった。
今心の中は、満足感、達成感、そういう満たされた気持ちでいっぱいになっている。完全に自分のしたいことをやり遂げた後にしか味わえない気持ちなのだろう。


最高の文化祭だった。今日のために一生懸命頑張った人、それを支えてくれた人、そして自分にも、一言。
おめでとう。そして、ありがとう。