学芸祭

とうとう学芸祭当日。
朝は5時に起床。日の出は6時半ごろなので、まだ外は真っ暗です。
朝食をとり、身支度を済ませて出発。まだ6時前。
夜明け前の、ゆっくりと明るさを帯びてきている空にいわゆる二十七日の月が浮かんでいます。こんな月を生で見るのは、かなり久しぶり。
歩いて駅まで行き、夙川で乗り換える。梅田発の始発特急。そこで台氏(仮称)と合流。
岡本から歩き、ちょうどいい時間だったのでなんとなくなはつきを撮ることに。
残念ながらまともな写真を撮れる場所がなかったので、風景と絡めてケツ撃ち。
夜明けの街と寝台特急なは・あかつき
夜明けの街の中を走って行く感じが出ているでしょうか。


そして学校には定刻通り、7時過ぎに到着。
早速練習を始めようと思ったものの…肝心の主役級のやまちょく氏(仮称)がいない。
これでは練習にならないので、しばらく様子を見つつ待つことに。
ところで、今回の劇ではほとんど衣装というものが出て来ないんですが、その中でも数少ない衣装役の人が持ってきた衣装。
父親役の台氏(仮称)は今時のサラリーマン、といった感じでスーツに綿パン。なんかこのまま新入社員とか言っても十分通用しそうです。
で、医者役のO氏は親も医者ということもあって、家から聴診器(本物)を持ってきていました。流石。白衣+名札がなんか雰囲気出てます。
他の組を覗いてみても、メイド服やら新撰組っぽい衣装やら、なかなか凄いものがたくさん。しかも、衣装を着込むと人間ってオーラが変わってしまうんですよね。なんというか、なりきりの力って怖いです。
どうでもいいけど、暇だったので窓から写真を一枚。
学校より大阪湾を望む
うちの学校からは六甲山も見えるんですが、実はかなり海も近いんですよね。で、空気の澄んでいる日にはその海の向こうに大阪府南部や和歌山県のほうを望むことができるわけですが、今日は朝早い時間帯ということもあって、海面近くでは朝霧が立ちこめていて、海の向こうの山の稜線が浮かんで見えて美しいです。


そんなことをしているうちに、集合時間から遅れること45分、ようやくやまちょく氏(仮称)が登場。主役なんだからそれだけの責任感を持って欲しいものです。
それでも気を取り直して練習。台詞などを少し削って余計な時間も削減したおかげで、昨日に比べるとずいぶんと短くなりました。


そしていつもの時間になって点呼、それから講堂へ。いよいよ本番です。
まずは高1。最初は1組の演劇。
例のクオリティの高すぎるネタの詰まったハチャメチャなネタ演劇ですが、会場を笑いの渦に巻き込んでいました。ガンダムネタに2chネタ、教師ネタにドラクエネタ…ととにかく凄かった。
続いては3組。純粋にラブストーリー。確かにちょっと暗転が多すぎた感もありましたが、こういう物語もなかなか良いものです。
そして我らが2組の出番。
舞台袖に移動して準備。自分の出番になる。
観客は、昨日は温まりすぎていて予想外のところでウケてしまったものの今日は案外真面目に見てくれているのでやりやすい。主役のN氏もなかなかうまくやっていたし、昨日は声が全く響いていなかったやまちょく氏(仮称)も練習した分だけ今日はしっかりと声が出ていて良かったです。自分は…とりあえず、『わざとらしい演技』にならないように意識して、なるべく自然体の友達を演技してみました。その分だけちょっと早口になってしまいましたが、まぁこれもいい経験。
…と、いうわけでうちの劇は見事に大成功。練習でのどの回に比べても良かったと思います。
で、続いては4組。
K氏演じる堀江ならぬ江堀社長の演技がとにかく素晴らしかった。さらに『新選組』のY氏も凛々しい感じが素敵。さらに7分間、最後のオチを飾るまでずっと直立不動の呪いのマネキン役も凄かった。あれだけ動かない演技が出来るというのはただ者ではないです。
続いて高2の演劇。まずは4組。
サプライズたっぷりの『無題』という名の演劇は、高2ならではの『劇を作り上げるまでのさまざまなハプニングや苦悩』などを描いていて、ちょっと感動しました。
続いての2組は、オタクな主人公がタイムマシンを発明して、過去から宝物を取ってきて大変なことになってしまうストーリーだったんですが、主人公の『キモヲタ』のリアルさがとにかく凄かった。素のままではないかという意見もありましたが、あれだけの『キモさ』を演出できるというのは凄いです。背景の『オタクの部屋』もとにかくリアル。
その後は1組。生徒達に愛されている『源さん』の食堂が、横暴な生徒会長演じる横暴な生徒会長によって外資系ピザ屋に追い出されそうになり、料理対決をするストーリー。最後に料理対決で勝って感動のラストを迎えるかと思いきや、ピザに目覚めた源さんの一言『だが断る!』でいっきにとんでもないオチに。これは予想外。しかしまぁ、生徒会長役がちょっとオーバーアクション過ぎるとか指摘されてましたが、おそらくあれは素の状態なのではないかと。。
そして最後は、未来の自分に唆されたニート青年がボクシングに再挑戦する話。それほどインパクトはなかったものの、なかなかうまくまとまっていた感じ。途中に出てきた自動販売機にマックスコーヒー(しかも最新モデル)が置いてあって、しかも自販機に『DIET MAX COFFEE』と書かれているというマニアックすぎるネタが個人的にはツボでした。このネタが分かる人は果たしてどれくらいいるのやら。。


で、一通り終わってとうとう結果発表。
個人賞、優秀助演俳優賞はうちのクラスのやまちょく氏(仮称)に決定!今日は声もしっかり出ていたし、淡々と話す『影の存在』の雰囲気が出ていて良かったとのこと。やりましたね!
そして最優秀主演俳優賞は例のオタク、優秀主演俳優賞は『江堀社長』を演じたK氏でした。流石!
で、全体のベスト3も発表。そして…


1年4組がまさかのグランプリ!!


うちの組でもないのに、我がことのように喜んでしまいました。いや〜、凄いよ4組、凄いよ高1!
そして舞台に全員上がり、そのK君が一言。『シンジラレナーイ!』
ホントに素晴らしかった。社長や『新選組』はもちろんのこと、呪いのマネキン、そして美人秘書や料亭の女将さんなどの女装役など全ての役がピタリとハマっていて、お手本的な演劇だったのではないでしょうか。
近年、学芸祭ではいつも高2に有利なように採点されるという問題がずっと議論されており、今回も結局はその審査体制は変わらぬまま進んでいたんですが、それにも関わらずグランプリを高1が持っていってしまいました。ん〜、流石です。


そしてみんなでお祭りも終わり打ち上げモード…かと思いきや、ここで京都国立博物館の館長さんの講演会を延々と2時間近く聴くことになるわけで。
ぶっちゃけ、いくらありがた〜いお話だったとしても、準備のために寝る間も惜しんだ数日間、そして当日も朝早く起きて学校に来て、成功を収めてようやく終わった…そんなムードの時に講演会なんかされても誰が聴くというんでしょうか。相変わらず空気の読めない校長です。だから絵を破られるんだよね。
てなわけで、おそらく講演会の視聴率は10%を切っていたのではないでしょうか、少なくとも自分の周りではみんな寝てましたし、実際自分も睡眠補給してました。


で、その永遠のように感じた2時間が終わり、これから片付け。まぁそれはすぐに終わり、打ち上げモード。
教室に戻って一旦みんなで盛り上がる。賞をもらったやまちょく氏(仮称)とか数人を胴上げ。こういうのってなかなか楽しいですね。
…しかし、他のクラスに比べて参加人数がやたら少ない。これもクラスの雰囲気なんでしょうか。困ったもんです。
でもまぁ数少ないメンバーを集め、文藝会長氏・総責任者のT氏・ナレーターのT氏・父親役の台氏(仮称)・教師役声優のドリアン氏(仮称)・音響担当のN氏・そして友達役の自分の7人で三宮のROUND1へ行ってボウリング。こっちでのボウリングなんて去年の学芸祭の打ち上げ以来1年ぶりです。多分。
なんか機械が新しくなってて感動しつつも5ゲーム遊ぶ。途中総監督のD氏もちょっとだけ見に来てました。
140近辺のスコアは2回ほど出たものの、残念ながら本領発揮とはならず。せめて150ぐらいは出したかったけど…まぁいいか。
で、その後は焼肉。総責任者のT氏と音響のN氏が抜け、代わりにボウリングには参加しなかったS氏・医者役のO氏が合流して三宮から少し北のほうに上がったところにある焼肉店へ。
そこでマターリ盛り上がっていると、なんと優勝した4組のメンバーが大所帯で同じ店に押し寄せてくるという予想外の展開に。これでなんか打ち上げムード全開になってきました。
人が焼いている肉を奪って取り込むというドリアン氏(仮称)の軽くウザい行動に若干呆れつつもまぁみんなでまったりと盛り上がってました。
21時まで盛り上がってから店を出て、コンビニでみんなでアイスを買って食べる。
そして三宮駅前で一本締めをして解散。まぁ皆さんホントにお疲れさまでした。


帰り道、すっかり灯りの消えた道、初冬のひんやりした空気と冷たい雨に打たれながら少ししんみりときた。
この学芸祭期間、青春をエンジョイしてたなぁ、と。
賞こそ取れなかったもののベストは尽くしたし、実際自分で納得のいくものができたと思う。クーデターを起こして時間がなかったのに、一週間で自分たちが一から作り上げた寸劇が、あれだけのものに仕上がった。できることは全てした。


『悔いの残らないように全力で頑張りたい』という気持ちに、嘘をつくことなく頑張ることができたと思う。