あれから1年。

Bitter Sweets Buffetにて

今日であの東日本大震災から1年。自分は家の中にいたから帰宅難民にはならなかったしその家も物一つ落ちないくらいだったので特に何も被害を受けたわけではなかったんですがあの日のことは今でも鮮明に覚えています。もう1年も経ったのか…。
地震津波の被害も甚大だったし、そのあと起こった原発事故を境にいろいろなものが変わったよな、と。あれだけ言われまくってたエコとかCO2削減とかそんな言葉はほとんど聞かなくなり、変わりに節電とか放射能とかそんな言葉が毎日のように聞こえるようになり。
もちろんあんな事故を起こしちゃったわけだから原発をこれから積極的に推進していくわけにはいかないだろうし、原発は無いと成り立たないから必要って意見も今すぐ全部廃炉にすべきって意見もいろいろあるけど、個人的には現時点で必要な分を確保するために安全性の高いものだけとりあえず動かしつつ、十年二十年後に代替エネルギーの開発見通しが立ったら順次止めていけばいい、という長期的脱原発依存派。
ただ難しいのは、日本人の性質上今止めてるやつを再び動かしてしまうとしばらく経った頃に『なんだちゃんと動いてるんだし別にこれで大丈夫じゃん』的な考えが徐々に増え始めて最終的にはそのうち原発無くそうみたいな話がすっかり無かったことにされそうなところ。これでは何の意味もないわけでして、そういう可能性が捨てきれない以上安易に再稼働するのは怖いなという感じはありますね。まぁ今日の報道ステーションでの古館氏の発言のようにマスメディアでもようやく圧力に屈さずに脱原発依存を唱えるような人が出始めてきてるし、これが日本社会に原発と向き合い今後を冷静に考えていくような流れを作っていってくれればな、と。再生可能エネルギーとかああいうのっていくらエコだのなんだの言っても金にならない市場は結局成長しないわけで、逆に言えばエネルギーの相場自体が上がってしかも安全性が最重視されてるような今こそ一気に技術開発を進めて売り込めば日本が世界をリードするエネルギー先進国に十分なり得ると思うのです。
あとは津波被災地の問題ですね。三陸をはじめとする東北の太平洋沿岸ってのはもともと過疎地が多くを占めていたためにいわゆる日本の地方が抱える代表的な問題をいくつも抱えていたわけなんですが、それが一気に全部更地になってしまったというのはある意味非常に大きなターニングポイントでもあるわけでして、居住地をどうするか、交通網をどういった形で復旧するか、市街地をどう整備していくか。そんなところを含めて、今までは既存物があって出来なかったような一から作る都市計画が可能になった今、ここをどんな形で復興していくかというのがあの被災地の大きな課題であり、ひいては今後の日本の地方の復興のモデルケースともなっていくべき場所でもあるのかもしれません。