棚から臨休

今日は結局台風による暴風警報が朝まで出ていたので休講になったので自宅でヒッキー。
まぁのんびりと過ごしたといえばそうなんですが、昨日台風のことやらいろいろ調べてたりしたうえにいざ寝ようと思っても外があまりに凄まじい轟音だったのでなかなか寝つけず結局2時間半ぐらいしか寝てなかったので今日はずいぶん昼寝に時間を費やした気がしなくもない。。
で、その台風とやらは結局東のほうにずれて突っ込んでいったわけですが、首都圏はJRが完全にストップしちゃってて大変だったそうで。しかし関西圏とかと比べるとなぜか首都圏のJRってやたらと天候変化に弱いよなぁ…。冬もちょっと雪がうっすら積もるぐらいで片っ端から動かなくなるし。。
でもまぁ台風の規模のわりにはそれほど目立った大きな被害が出なかったようでなによりです。


さて、今日の時点とうとうセンターまであと100日だそうなので、サイドバーのところに残り日数のカウントダウンを今年も付けてみました。まぁ今年に関して言えばセンターなんてホントに通過行事でしかないんですが。


ところでひとつ気になったニュース。

ウィニー開発者に無罪 大阪高裁 1審破棄 著作権侵害 幇助と認めず

 ファイル共有ソフトWinnyウィニー)」を開発・公開してゲームソフトなどの違法コピーを助けたとして、著作権法違反幇助(ほうじょ)の罪に問われた元東大大学院助手、金子勇被告(39)の控訴審判決公判が8日、大阪高裁で開かれた。小倉正三裁判長は「著作権侵害をしないよう注意喚起してウィニーを提供しており、幇助犯とは認められない」として罰金150万円(求刑懲役1年)とした1審京都地裁判決を破棄、逆転無罪を言い渡した。

 ウィニーをはじめとするファイル共有ソフトを用いた著作権侵害は増え続けており、開発者の刑事責任を認めるかどうかが注目されていた。弁護側は「ウィニーの開発は著作権侵害目的ではなく、面識のない利用者の違法行為に対するソフト開発者の幇助罪は成立しない」と無罪を主張していた。

 判決理由で小倉裁判長は、ウィニーを「価値中立的なソフトで、有用性があるとともに著作権侵害にも用いられる」と指摘。幇助罪の成立は「著作権侵害の用途のみ、または主要な用途とするようネット上で勧めて使用させる際に幇助犯が成立する」との基準を示したうえで、「不特定多数の使用者の中に違法行為をする者がいると認識していただけでは幇助罪にはあたらない」と述べた。

 金子元助手は平成14年5月、ウィニーをインターネット上で公開。群馬県高崎市の男性ら2人=著作権法違反罪で有罪確定=が15年9月、ゲームソフトや映画などを違法にダウンロードできるようにするのを助けたとして起訴されていた。

 太田茂・大阪高検次席検事の話「無罪判決は意外であり、極めて遺憾。判決内容を精査し、適切に対応したい」


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091008-00000051-san-soci

まぁこの件に関してはいろんな見方があるだろうとは思うんですが、この逆転無罪判決がもたらす意味は大きいんじゃないかな、と。
科学技術にしてもこういったプログラムにしても、新しい技術の開発だとか発見といったものは純粋な興味関心に基づいて行われるべきであり、それによってもたらされたいかなる結果に対する責任も開発者に問うべきではないというのがサイエンスというものにおける基本理念のひとつとしてあるんですが、それは結局のところどのような発明であれそれを良い方向に活用することもできればその逆もできるわけで、発明によってもたらされる負の側面ばかりを意識していては研究自体が萎縮してしまって発展性が失われてしまうというのがその主たる理由。
ダイナマイトを発明したのに結果的にはそれが戦争で人を傷つける目的で使われてしまったことを嘆いたノーベルの例はあまりにも有名ですが、やはりこういった技術がどう活用されるかは使用者のモラルに左右されるわけであって、Winnyの例に関しても(さすがに今回の場合は開発された時点で100%中立の立場であったかどうかはいささか怪しいとはいえ)それによって著作権が侵害されるとするならばそのような使い方をした使用者本人に責任を問うのが本来あるべき姿なのではないかな、と思うんですよね。
(ちなみにP2P技術自体を悪者扱いする人もたまに見かけますが、中央集権構造をとらないP2Pネットワークは大規模になればなるほど負担の一極集中を防ぐのに非常に有効なシステムで、実際Skypeなんかはこの技術を生かしている代表例ですね。)


まぁこれだけいろいろ語ったところでどの意見が必ず正しいなんてのはあり得ないのであくまで持論でしかないわけですが、ただ自分が思うには、京都府警が結果的に犯してしまった一番の失策はこの一件によってWinnyがバージョンアップされなくなってしまったことなのではないか、と。
というのも、今やネットに詳しくない人でも知っている『Winny』というソフトはそのセキュリティホールがもたらした大事件によって有名になったわけですが、多くの人にとって著作権侵害よりももっと恐ろしいであろう個人情報の流失事件はもし作者があの時逮捕されていなければこれほど大騒動に発展するほどには起こりえなかったわけで。
そのあたりを振り返ってみると、このWinny作者逮捕騒動に関してはなんとも皮肉な結末を迎えることになってしまったものだなぁ、というのが個人的な感想だったりします。