九州旅行4日目

今日は残りの3人はどうやら明け方から城山公園まで行ってしまったみたいなんですが、昨日必死でデータ救出を試みたりしていたこともあって疲れが溜まっていたのでパス。
というわけで一人でのんびりと朝食をとっていると突然メールが来て、思ったよりも遅くなって予定していた指宿枕崎線の列車に間に合わなさそうだとのこと。あ〜あやっぱりね。。
というわけで仕方なく待ってたわけですが、本当なら指宿あたりでひたすらゆっくりしようと思ってたのが無理になったので3人が帰ってきてからは代替プラン探しをして、時間がないものの一応行ける範囲に温泉を発見。


というわけで、まずは鹿児島中央から普通列車に乗車です。
しばらくの間は鹿児島近郊を走るのでそこそこ乗っていたんですが、だんだんと乗客はまばらに。そしてしばらくすると左手に海が見えてきました。
鹿児島市街はしっかり晴れていたんですが、西に行けば行くほど厚い雲に覆われて曇りの天気に。まぁ雨が降らないだけまだマシといえばそうなんですが、中1の時に大雨の直前に行ってしまったリベンジも兼ねていたのでちょっと残念。これが晴れてたら素晴らしい景色だったんだろうけどなぁ…。
そして指宿の手前の二月田駅で下車。この駅から10分ほど歩いたところにある『殿様湯温泉』という温泉を目指します。
しかしまぁさすがは温泉の町。そこら中の道路沿いの溝の蓋から湯気が上がっています。
途中でそういえば三木鉄道廃線跡歩きに行った時に見たことのある気がする『顔のついた缶』の看板を目撃したりしつつちょっと遠回りになったもののようやく発見。しかしこのあたりってやはり本州と比べると植生がいろいろと違う気がするのはやはり南国だから…?
で、この殿様湯温泉なんですが管理は隣の民家の人がしているらしく、民家の離れが銭湯になっているようなそんな雰囲気。
いわゆる観光地の温泉にありがちな無駄に凝った感じはまったくなく至ってシンプルな『お風呂だけ』なんですが、それはそれでなかなか味があってよろしいもんです。入浴料も270円で、多分普段街中で昔ながらの銭湯に行くよりも安いお値段でした。さすがは温泉の町。
由布院の時ほどゆっくりはできなかったものの、指宿のナトリウム泉をしっかり堪能してきました。時間があればいつかは指宿の砂風呂も体験してみたいもんです。
ところでこの『殿様湯温泉』という名前は、かつてここに薩摩藩主代々の別荘が置かれていて1828年に第27代藩主であった島津成興が湯殿を設けたことに由来しているそうで。なるほど湯船に紋章が入っていたのはそういうことなのか。
ちなみにその当時の浴場の跡も温泉の建物のすぐ裏にそのまま保存されていて、かつて島津の殿様がどんなお風呂に入っていたかというのを知ることができます。
殿様湯温泉にて
場所が場所だけにこんなとこで写真を撮ってたらタシーロと勘違いされかねませんが、そもそもこの温泉自体他に誰も来てなかったような気がしなくもないw


さて、いいお風呂にも入ったことだしそのまま二月田の駅まで戻って山川まで2駅だけ乗車。
ここはJR最南端の有人駅で、駅から少し行ったところにはかつて幕末に浦賀とともにモリソン号事件の舞台にもなった山川漁港が。ここは典型的な砂嘴の地形になっているところなんですが、眺めていてもなんとなくそれが分かります。
そして山川からは枕崎行きに。ここから先の区間があまり線路がよろしくないので、線形は決して悪くないんですがかなりゆっくりと走ります。
しばらくすると薩摩富士ともよばれる開聞岳が見えてきたんですが、どんよりとした曇り空で残念ながら開聞岳も雲の中。。
そしてJR最南端の駅・西大山駅に到着して数分停車。前にきた時はこんなサービスは無かったような気がするんですけどありがたいです。
この指宿枕崎線、宗谷本線の末端にこそ負けるものの最南端に相応しいなかなかの最果てっぷりが楽しめる路線で、あたり一面キャベツ畑が広がっているほかはひたすらだだっ広い風景。時折海も見えます。


指宿枕崎線の風景
これだけ海に面しているうえ地形も悪くないのにここまで何も無いというのも、今となっては北海道以外では結構珍しいのかもしれません。


中1の時にここを訪れた時はひたすら長かったというイメージが残っていたんですが、やはり長時間の乗車に慣れたからなのか思いのほか早く終点・枕崎に到着。当時あった駅舎は数年前に取り壊され、その場所にはショッピングセンターが建設されるというとても残念なことになってしまいました。
枕崎駅
そして今ではどこかのローカル線の途中駅のように、棒線駅で駅舎はおろかゲートがひとつあるだけという寂しい駅に。
一応駅舎の再建という話も出てはいるらしいんですが、これはずいぶんとまた困った都市開発をしてしまったな、という印象を受けました。


で、バスに乗れば鹿児島まで1時間ほど早く帰れる、とは思ったんですがこの時間なら30分後ぐらいに乗ってきた列車が折り返すらしいし、途中でなのはなに接続するので鹿児島着もそれほど遅くはならないようだったのでそれまで昼食探し。
残念ながら本数の少ないローカル線なのでその列車に乗れないとアウト、そうなるとせっかくカツオが有名でもどこかの店に入ってびんた料理に舌鼓を打ってる時間なんかはないわけで。しかし探しても海鮮系の弁当とかを売ってるような店も見当たらないし、ショッピングセンターに入ってもさすがにスーパーで何か買うというのもアレだよなぁ…と思ってかなり困りましたが、旧駅前の一福というかつお料理店を見つけて、id:gillhanter氏がもしかしたら折り詰めを頼めば作ってくれるかもということでダメもとで聞いてみたらなんといけるとのこと。
しかしその時点で列車の発車まであと10分。そのことを伝えた瞬間店の厨房が今までの和やかな雰囲気から一転して真剣な空気に包まれたかと思うと、大将はなんと他に作りかけてた料理を全部後回しにして本気モードで急いで作ってくれました。感謝!
おかげさまで列車にもちゃんと間に合い、食いっぱぐれを回避することができました。よかったよかった。


にぎり寿司
鰹、トロ鰹、鯛のにぎり寿司。さすがは日本一有名なカツオの産地・枕崎というだけあって実に美味でした。


さて、2両編成の列車の2両目には幼稚園児のグループが大勢乗っていたんですが、枕崎で発車する前になぜか1両目に人が誰もいないので何かと思ったら、どうやら1両目に幼稚園児の別のグループがさらに百数十人乗ってくるとのことなんですが、待てど暮らせど来ないので仕方なく発車。
その2両目の幼稚園児は西頴娃の駅で降りていきました。しかしその駅にはさらに反対側の列車を待つ幼稚園児のグループが。いったいこの路線どれほど幼稚園児に人気なんでしょうかね。


西頴娃にて


ここで交換待ちのあと発車して、再びJR最南端の区間へと戻っていきます。
さっきは雲で覆われていた開聞岳でしたが、帰りにはすっかりと快晴になって…とはいきませんでしたが雲がずいぶん薄くなってきたおかげで山はバッチリ見えました。確かに美しい。
開聞岳


そして再び西大山駅に到着。どうやら今回も数分停まってくれるらしい。
西大山にて
中1の時に来た当時はまだ『日本最南端の駅』だったんですが、沖縄のゆいレールが開業したことによって『JR最南端』の駅に。


そこからしばらくするともう終点・指宿に。ここで特快なのはなDXに乗り換えます。
この列車には指定席が1両ついていて、それがまたちょっとした凝った作りになっているんですが今回は自由席の普通のキハ200系。しかし6年前は期待しながら待っていたのに黄色い車両が来るはずがオールロングの赤いキハ200系が来てがっかりしたんですが今回はちゃんと転クロの車両でした。
しかしまぁこの列車はかなり順調に飛ばします。海岸沿いを走っているので結構カーブや起伏も多いんですが、そんなのをものともせずに快調に走り、1時間ほどで終点・鹿児島中央に到着。
キハ220系特快なのはなDX@鹿児島中央


ここから乗り換えて1駅行って鹿児島へ。817系という車両には実は初めて乗るんですが、普通列車なのにあの革張りのシートがなんとも面白い車両ですね。
ED76-1023牽引カモレ@鹿児島
鹿児島ではED76牽引の貨物列車にも遭遇。


で、ここから市電で数駅行った電停から歩いて鹿児島港へ行き、桜島フェリーに乗船。どうやら運賃は桜島で払うっぽいです。
桜島
船から見た桜島の姿は実に立派。わずか15分ほどの船旅でしたがなかなか楽しかった。


桜島港から少し歩いたところには溶岩なぎさ遊歩道という遊歩道があって、ここは遊歩百選にも数えられるという名所なんだとか。…しかし遊歩百選なんて存在を今初めて知った気がしなくもない。


桜島にて(その1)
しかし海岸沿いを一面大きなごつごつした溶岩の岩がゴロゴロしてる風景は実にワイルド。


桜島にて(その2)
このどこから撮っても絵になる風景ってのがたまりません。


桜島にて(その3)
桜島といってもやはり大きい。島に上陸しても山が結構遠くに見えます。
ちなみにここで記念写真を撮ったんですが、球磨川に続いてまたしても『アウトドア部』みたいなノリになってしまった感じになったのは気のせいでしょうか。まぁこれはこれでいいんだけど。


夕方の海風を浴びながら歩いているとだんだん寒くなってきたので、港の近くにある温泉へ。本日2度目の温泉で、自分にとっては入試が終わってからは万座、由布院阿蘇、指宿に続く5ヶ所目の温泉です。なんかいよいよ湯治旅行になってきた気もしますが(゚ε゚)キニシナイ!!
ここは露天風呂こそなかったものの、海の見えるいい雰囲気のお風呂でシャンプーなどの備え付けもあって良かったです。


さて、再びいい湯に入ったあとはフェリーに乗って、その場のノリでフェリーの中にあった立ち食いうどん屋でうどんを食べて、鹿児島港から鹿児島駅まで歩いたあとで中央駅まで戻ることに。ここでまさかの415系降臨ktkr。


で、東横インで預かってもらっていた荷物を受け取ってから今晩の食料を調達。駅の隣のデパートみたいなところの地下でいろいろお弁当を買ったんですがさすがに夜なので種類は少なめ。なぜかとり天がたくさん入った鶏めし弁当を購入。
ホームに入っていってしばらくすると485系が入ってくる。これからこの特急きりしまに乗って宮崎県を目指します。


この日豊本線区間、あの有名な竜ヶ水周辺のしばらくは海沿いを走るんですが、そこから先はどんどん山間部になっていく(中1の時の記憶もひたすら山の中だった記憶しかない…)ので車窓は真っ暗。というわけでid:gillhanter氏と一緒に夕食を食べて、彼は弁当と一緒に鳥刺しなるものを買っていたのでこれも分ける。
実は鳥刺しなるもの食べるのは生まれてこのかた多分初めてなんですが、量がやたら多かった気もするけどこりゃなかなか美味ですね。関サバに鳥刺しにと、この旅行では珍しいものばかり食べてるような気がします。


降りる駅でラケットを忘れていった学生さんがいたという他は特にこれといった問題や遅れもなく気がつけば2時間近くが経ち、終点・宮崎のひとつ手前の南宮崎に到着。しかしここも大きな駅のはずなのに何も無さが半端じゃない。駅前は市街地なんだけどなんか寂しい…。こりゃ確かにどげんかせんといかんのもよく分かります。
駅前のローソンで水分を調達する以外はそれほどすることもなかったので、次の列車の時間までしばらく暇をつぶすことに。


717系@南宮崎
717系を流し撮り。キハ47系の電車版といったイメージの車両。


南宮崎にて
日南線ディーゼルカーの音だけが暗闇で寂しく響いていました。


ようやく時間になって、ドリームにちりんハイパーサルーンが入線。
特急ドリームにちりん方向幕
南宮崎を発車し、すぐに宮崎に到着。ここでたくさんのお客さんを拾っていよいよ発車です。
全国でこれだけ夜行列車が次々と廃止されていく中で未だに九州内完結の夜行特急が残っていること自体が驚き。
窓側席の3/4が埋まるぐらいでいつ廃止されてもおかしくない乗車率ですが、できれば長く走り続けて欲しいもんですね。

そしてもうこれからは客なんて乗ってこないかと思いきや、0時を過ぎた次の駅でそこそこの数の客が乗車。なるほど、フリーきっぷ系の切符を賢く使おうという手なんでしょうね。
せっかくなのでしばらくその雰囲気を楽しんでいましたが、なにしろ乗車時間が長いこともあるので延岡を過ぎてしばらくしたあたりで就寝。今日もなかなか充実した1日でした。

車番・乗車距離

鹿児島中央〜二月田:指宿枕崎線・普通/山川、キハ47-8077
二月田〜山川:指宿枕崎線・普通/山川、キハ147-183
山川〜枕崎:指宿枕崎線・普通/枕崎、キハ47-8077
枕崎〜指宿:指宿枕崎線・普通/指宿、キハ47-8077
指宿〜鹿児島中央指宿枕崎線特快なのはなDX6号/鹿児島中央、キハ200-9
鹿児島中央〜鹿児島:鹿児島本線・普通/国分、クモハ817-6
鹿児島港〜桜島港:桜島フェリー桜島港、第15櫻島丸
桜島港〜鹿児島港:桜島フェリー/鹿児島港、第16櫻島丸
鹿児島〜鹿児島中央鹿児島本線・普通/鹿児島中央、モハ414-514
鹿児島中央南宮崎鹿児島本線日豊本線・特急きりしま16号/宮崎、モハ485-169
南宮崎〜博多:日豊本線鹿児島本線・特急ドリームにちりん/博多、モハ783-110


●乗車距離(1日・市電/フェリー/ドリームにちりん除く):305.3km