直感的な数学=算数

世間ではセンター試験が始まるとか、うちの学校でも中学入試が行われるとかで慌ただしくなってるようで、いよいよ来年かぁと思いつつも、自分がこの学校の入試を受けたのがついこの間のような気がしてしまう今日この頃。
あの頃は、全然合格ラインに成績が達していなかった小6の春頃から、根拠もなく『なんだかんだで多分最後はきっと受かるんだろうな』とかいう恐ろしい確信を持っていて実際にそれは事実になったわけですが、こうして思えば実は自己暗示ってのは地味に大切なのかも?
というわけで、入試ネタから派生して鉄研では小学校の塾時代の話が盛り上がる。
で、その場のノリで当時算数を教わっていたとある講師のハンドルネームはまだ残ってるのか、ということで検索してみたら本人のブログが一発で引っかかって思わず皆で噴いた。


しかしまぁ、小学校時代の算数ってのはなかなか面白かったなぁと今になって思うわけです。
パズル的で直感的、とてつもなく難しいことをやってるんだけど難しいと思わせずに解く方法を編み出す。それがある意味すごいなぁと思うんですよね。
例えば『2x+3y=6』(←1式とする)という式。
この式に、さらに『y=12x-8』(←2式とする)という式を連立させてみたとしましょう。
答えが簡単な整数になるなら多少の時間を浪費すれば順番に整数を入れて行けばそのうち答えにぶつかりますが、この問題の場合x、yともに自然数ではないので、適当に整数を入れてみただけではもちろん解けません。
数学ではまず2式のyを1式に代入して、
2x+3(12x-8)=6
⇔2x+36x-24=6
⇔38x=30
x=15/19
よって、2式より
y=12(15/19)-8=28/19
というわけで、答えはx=15/19、y=28/19と求まります。
これだけ汚い答えになるので、もしこれを勘で当てようものならそれこそ宝くじを当てに行くようなものです。
そして、今回は中学生で習う『連立方程式』の、特に『代入法』というものの知識を使って解いてみたわけですが、この類の問題は方程式こそ出て来ないものの小学生でも似たような感じのものが速さの問題とかで出てくるわけで。
その時には、敢えてxとかyとかいう文字を使わずに○とか□とか△とかを使って、(2)+[3]=6とか表すわけです。(ここでは表記上(1)を○の中に1を入れたもの、[1]を□の中に1を入れたものとする)
そして、もうひとつのほうは[1]=(12)−8と表せる。
ここで(1式×6)と2式を足すと、
(12)+[19]=(12)+28
(12)が打ち消されるので、
[19]=28
[1]=28/19(←これが結局y)
これが(12)−8だから、(12)=180/19
だから、(1)=15/19(←これが結局x)
といった感じで、本人は方程式だとかそういう難しい文字をふんだんに使った高等な数学の知識を使っているなんて意識することなどなく、実際は連立方程式の『加減法』の計算をしている、というカラクリ。
この事実に気付いたのは数学が苦手な自分はかなり後になってからのことだったんですが、多分あの時にxとかyとかを使って計算をしていたら頭が混乱して理解できなかったであろう問題を、記号をうまく使うことで分かりやすく直感的に解くことができるようになる。これが中学入試の算数。
こういうのをひとつとって考えてみるだけでも、案外結構面白かったりします。


さて、話がずいぶん違う方向に飛んで行ってしまいましたが、とりあえず受験生の皆さんは頑張ってください。小学生も高校生も。多分明日の朝のうちの学校の前はあちこちの塾の旗が乱立してあたかも戦国時代の光景のようになっていることでしょう。
『灘中にィーーーッ!!絶☆対☆合☆格☆するぞぉぉぉぉぉおおおおおおおーーーーーっ!!』みたいな謎の『合格宣言』、まだやってるのかなぁ。