とうとう来たか…。

消えゆく東京駅発ブルトレ 「銀河」来春に引退

 「ブルトレブルートレイン)」の愛称で親しまれてきたJRの寝台列車が、09年春にも、東京から西へ向かう路線から姿を消す可能性が高まっている。利用客の減少が主な原因で、ほかの路線も同様の事情を抱えている。一部の豪華列車を除き、将来的には廃止の方向にあるという。
 JR各社の複数の関係者によると、08年3月中旬のダイヤ改定で消えるブルトレは、京都〜熊本間を走る「なは」と京都?長崎を結ぶ「あかつき」、東京?大阪の「銀河」。また、大阪〜青森の「日本海」と上野〜札幌の「北斗星」は、現行の1日2往復から、1往復に減る。このダイヤ改定は今年11月中旬に正式決定し、12月中旬に発表される予定だ。
 さらに、09年春のダイヤ改定では、東京?大分の「富士」と東京〜熊本の「はやぶさ」の廃止が、JR各社の担当課長レベルで合意済み。これが正式に決まれば、大阪以西を走るブルトレは皆無になり、東京駅でブルトレは見られなくなる。ブルトレ発祥の地である九州などでは、地元の反発も予想されるという。
 新幹線や飛行機、夜行バスに押され、「利用率が低い」のが廃止の最大の理由で、「車両が老朽化している」「夜間の要員確保が難しい」などの事情もある。
 JR東日本の調べでは、JRが発足した87年のブルトレ利用者数と比較すると、東京から西へ向かう路線全体の利用者は05年には21%にまで落ち込んでいる。
 例えば、「はやぶさ」は東京駅を午後6時過ぎに出発、熊本駅に着くのは約18時間後の翌日正午前。飛行機なら2時間もかからない。
 ブルトレの一般的な定義は、14系や24系と呼ばれる青い塗装の寝台車を機関車が引っ張る特急列車(銀河は急行)。現在、東京と九州、北海道、大阪と東北などを結ぶ9路線がある。このほか、電車タイプの寝台特急である「サンライズ出雲・瀬戸」(東京〜出雲市・高松)や、比較的新しい車両の豪華寝台特急である「トワイライトエクスプレス」(大阪〜札幌)や「カシオペア」(上野〜札幌)がある。
 ブルトレの歴史は、56年に営業を始めた東京?博多の「あさかぜ」に始まる。あさかぜは58年から冷暖房完備の新型車両に編成を変えて以来、「走るホテル」と呼ばれて親しまれたが、乗車率が2割台に落ち込み、05年春に廃止された。
 JR各社は、関係部署の担当者による通称「ブルトレ会議」で、ブルトレの将来について検討を進めている。ほかの路線についても、新幹線の開業時期などに合わせて廃止することを視野に、検討しているという。

 《ブルートレイン》 青い寝台車を、機関車が引いて走る列車の愛称。商標権はJR東日本のほか、サンリオやタカラトミーなど数社が持つ。56年に運行を始め、松本清張推理小説「点と線」にも登場する「あさかぜ」が国内の第1号。70年代後半にはブームが起き、小説の舞台に何度も使われたが、新幹線開通に伴って利用は減少、路線は相次いで廃止された。海外では「世界一豪華」と称される南アフリカ寝台列車「ザ・ブルートレイン」が有名。


http://www.asahi.com/life/update/1117/TKY200711170276.html

銀河:来年春に廃止
なはつき:来年春に廃止
北斗星:来年春、2往復→1往復
日本海:来年春、2往復→1往復
富士ぶさ:再来年春に廃止


既にその手の筋の人からの噂は何度か聞いていたんですが、とうとう銀河もなはつきも廃止ですか…。なはつきは九州新幹線全線開業までは残ると思っていたんですが…。。
銀河も、いくら快適で安い高速バスに押されているとはいえ、広い洗面所やトイレも完備のうえで完全にフラットの状態で寝られるというのは寝台列車ならではのもので、車両とか設備さえもう少し新しくすれば確実に需要はあるのになぁ…。いくらN700系が出たところで朝一番ののぞみ99号に乗っても大阪朝7時過ぎには着けないし。
さらに驚いたのは北斗星の減便。今でも相当人気のブルートレインで、いかに人気かというのは実際めちゃくちゃ苦労をしてなんとか切符を手に入れて乗ってみて改めて実感したんですが、これが減便というのは正直理解に苦しみます。まぁ北海道新幹線の工事の関係とかもあるのかもしれませんが…。
そして、富士ぶさも来年でこそないものの再来年の春には廃止され、とうとう東海道・山陽のブルトレは完全消滅。東京駅に乗り入れる寝台列車285系サンライズ出雲・瀬戸だけとなってしまいます。
日本海やあけぼのもおそらく新青森開業と同時に廃止されるでしょうし、トワイライトやカシオペアは分かりませんが北斗星はまなすに関しては新函館開業の時に残る可能性は低いかも。そして北陸ももはや風前の灯火でしょうか。


かつて、日本全国を夜行列車が網羅していた時代。大きな荷物を背負ってこれから大旅行、といった人々で溢れかえっていた上野の停車場。そんな時代に、はるばる夜汽車に揺られて行った場所には今や新幹線という『夢の超特急』に乗ればわずか数時間で行けるようになった。確かに便利になった。それは間違いないのだが…果たして新幹線は本当に『夢の超特急』になれたのだろうか。昔はホテル代までちゃんと出されて、空いた時間にぶらりとちょっとした観光もできたような2日がかりの出張も今や回数券を渡されてのぞみで日帰り。おまけに地方では新幹線のせいで地元の足が奪われる羽目に。これが、かつて誰もが夢見た『夢の超特急』と本当に言えるのか、そして、そうやって日本が活気づいていた時代と比べて確実に進歩した現代、本当に日本人は当時より幸せな生活を送っているかどうか。そういったことを考えると、いささか空しくなってくる。今の世はなんでも合理主義。合理的なことは否定しないけど、あまりにそれにこだわりすぎてむしろ昭和時代の後期よりもそういう『遊び心』を持つ余裕が無くなってきている。そういった意味では20年、30年前よりも今のほうが『貧しい世の中』のような気がしてならない。
『国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。夜の底が白くなった。信号所に汽車が止まった。』
こんな旅情に溢れた旅が日本国内で出来るのは、せいぜいあと数年なのかもしれない。