『予測不可能』の魅力

今日も昨日や一昨日のように特に変化もないつまらない一日を過ごす…はずだったんですが。
昼に新聞を見ると、どうやら今日は高校野球の決勝戦があるらしいということでテレビをつける。
別に応援しているチームとかもないし地元でもないのでどちらが勝ってもいいというのは、ある意味純粋に試合を楽しめるので面白かったりします。
で、しばらく見てるとまずは広陵が先制。決勝まで来て甲子園初スタメン、そこで地味ながらも先制点を入れるというのは何か運を持ってますね。しかしここまで来て初スタメンで出す監督もなかなか凄いですな。
そして佐賀北は先発のピッチャーから早々と2番手のエースピッチャーに交代。広陵側としてはさっさとピッチャーを交代させて相手のペースを乱すのがひとつの狙いだったようですが、このピッチャーがまたなんか凄くて甲子園で未だ失点なしという化け物。
しかしそのピッチャーに再三チャンスで抑えられながらもとうとう2点を叩きだしてこれで4-0。かたや佐賀北はまだ1安打でほぼ完全に封じ込め状態。こりゃまぁずいぶんと一方的な展開になったもんだ…。
そう思って見ていると、試合終盤8回裏になってなんかあっという間に満塁に。ここでまさかの押し出しフォアボール。この時のピッチャーの驚いた顔が印象的でした。
そして、3点差となって出てきたバッター副島。そして打った!…これは…もしかして…!?
入った!!なんと…!
まさかまさかの逆転満塁ホームラン。甲子園の決勝戦での満塁HRは史上2度目らしいんですが、前も佐賀勢だったとか。なんかこれは縁でもあるんでしょうか。
そんなこんなで結局甲子園初出場の佐賀北がなんと優勝。一戦一戦目に見えて成長していく姿が印象的でした。
いや〜なんか最近涙腺が緩んでるんでしょうか。まさか高校野球の中継を見てうるっとくるとは思いませんでした。なんというか…野球というスポーツには言葉では言い表せないような魅力がある、そんな気がしました。もちろん高校球児のひたむきな姿も。
ところで甲子園初出場だったこの高校ですが、公立高校の優勝は実はなんと11年ぶり。世間では野球留学問題だとか特待生問題だとかが取りざたされる中で、こういう学校が栄冠を手にしたというのには大きな意味があるという気がします。
それにしてもやっぱり野球っていいですよね。サッカーとかバスケとかラグビーとかにはほとんどない『一球』の緊張感。さらに、いつ何があるかあるか分からない『一発逆転』の恐ろしさ。これが野球の醍醐味です。


ところで、その高校野球の中継を見終わった後は塾へ。『雲は湧き 光あふれて…』という高校野球のテーマソングの歌詞がぴったりな晩夏の青空。なんとも晴れやかな気分で阪急電車に乗って、ふと宝塚方面を見てみると…
ギョッ。
…あー傘持って来れば良かったかも…orz
かといって今更取りに帰るわけでもないのでそのまま塾に行くと、化学の授業が半分終わった頃から外はどしゃ降り。あーやっぱり来た…。。
まぁこんな降り方ならどうせ積乱雲か寒冷前線の仕業だろうと思って、帰る頃までに止むことを願いつつ物理の授業を受けていたら、一時は雨の音が聞こえなくなっていたのに授業が終わる少し前からまた豪雨。おまけに雷も鳴りだして凄いです。
そして授業が終わって、うわ〜傘持ってきてないよ〜…とか思いつつ帰ろうとしたら、雨と風と雷があまりにひどいためにしばらく館内で待機しろとの連絡が。そんなこんなで全員帰宅難民。あまりに激しい雷に気象予報士の資格を持っている物理の先生も少しビビる。
しかしまぁ外を見るとこりゃ確かにすごい。台風のニュースでよくNHKとかで『鹿児島県は先ほど午後○時○○分頃暴風域に入りました』とかいうアナウンサーの声とともに流れる映像みたいなとんでもない雨。風もかなり吹いてます。
そして台風以上に凄いのは何かというと雷。今まですごい雷は何度も経験していますが、今日のはその中でもトップクラス。なんというか空がほぼ絶え間なく光っております。そして数秒毎に轟音が。窓の外を見ているとたびたび空から枝分かれしながら稲妻が伸びているのが見えます。
稲妻だというと黄色だとか青白い感じとかいう印象を持つことが多いんですが、今日実際に見た雷はなんというかピンク〜紫っぽい感じの色。イメージ的にはプラズマボールに手を当てた時みたいな。
友達といろいろ話したり、物理の先生が持ち前の知識を生かして今の状況を分かりやすく説明してくれるのを聞いたりして雨が止むのを待つ。
それにしても鬱陶しい雷雨でもここまで潔く激しくなると逆にワクワクしてくるというか、なんとなくこの状況を楽しんでしまう気がします。もうやるところまでやっちゃいなさいって感じで。
そしてひたすら暴れ回った後雨、風、雷ともにだいたい落ち着いたので、いつものメンバー3人で駅まで歩く。東の空では絶え間なく稲妻が空を駆け巡っていますが、こちらはもはや雨など降っていません。しかしかすかに残るオゾン独特の臭いがその雷雨の一部始終を物語っていました。
高校野球に突然の雷雨。平凡で退屈な日常に、予測不可能なワクワク感を与えてくれた気がしたある夏の日の出来事でした。