Vol.50

さて、とうとうこの企画も50曲目です。なかなかよく続いてるなぁ。

#50『Time after time〜花舞う街で〜』//倉木麻衣 ジャンル:Pop

いつしかの『劇場版名探偵コナン 迷宮の十字路(クロスロード)』の主題歌となった曲。そして、自分がファンになったきっかけのうち、最後の引き金(?)となった曲でもあります。
この映画は、登場人物の心情がピュアに表現されていたなかなか良い作品だったんですが、春の京都を舞台に繰り広げられた物語で、その映画に非常によくマッチしていました。
当時京都の立命館大学に通っていた倉木麻衣が、特に京都でよく感じられる四季(実際盆地の気候のおかげで夏は暑くて冬は寒く、桜も紅葉もあるので四季の変化には富んでいるんですが)の中で、桜の花が散ってゆくのを見て作った作品。
作曲は大野愛果。コード進行的には『春よ、来い』にも似ているような、キャッチーで和の雰囲気のある、流れるような美しいメロディー。歌詞には『花御堂』『薄氷(うすらい)』『冴返る』などの美しい季語を織り込み、編曲の際にはアメリカのCybersoundのスタッフをわざわざ日本に連れてきたということもあり、和のテイストあふれる作品に仕上がっています。
ちなみに『花御堂』というのは、4/8(陰暦なので現在では5/8に行われることも)に行われる灌仏会に、花供養といって釈迦の像を安置し、甘茶をかけたりして供養する小さい堂のこと。そういう言葉が使われているからなのか、歌詞全体を見渡した時に、何か時間を超越したものを感じさせられる部分があったりします。
個人的にはPVが明らかに手抜きだったのが納得いかないところですが、春の終わりの桜の散ってゆく季節の切なさや儚さを美しく演出する、オススメの一曲です。(個人的にはアルバム『If I Believe』に収められている映画バージョンがお気に入り。)


(動画はショートバージョン)

Time after time~花舞う街で~

Time after time~花舞う街で~