51番目の州

ハワイに行ったという人の話を聞くと、日本人だらけでまるで日本にいるようだった、という話がよく出る。
『ハワイは日本の48番目の都道府県』と喩える人もいる。
それと同じように、『日本はアメリカの51番目の州だ』と揶揄する表現もよく耳にする。
たしかに、今の日本の状態はアメリカとの友好関係にだんだんと亀裂が入りつつはあるものの、アメリカの属国、それ以下かもしれない。


で、いろいろと考えてみた。
もし、日本がアメリカの51番目の州になったとしよう。
まず公用語。現在の日本の公用語は言うまでもなく日本語である。そしてアメリカの公用語もこれまた言うまでもなく英語である。
これが吸収合併するとどうなるか。
まぁ、規模などを考えると表向きの公用語は『英語』となるだろうが、日本の人口は現在のアメリカの人口の約半分。それだけの人口が英語をすぐに話すようになるか。なるわけがない。
ということで少なくとも日本の州の中では主に日本語がメインで話され、英語もそれに併せて使われることになるのであろうが、今の日本の状況を見ると、すでにそれに近い状態になっている。
学校では英語の授業はもちろんあるし、店とかそういったものの名前も英語コンプレックスのある日本人だからすぐ英語を使いたがる。おかげで英語を知らないと日本で生きていくにもなにかと不便である。
交通についてはどうか。かつて沖縄の占領が終わり日本に返還される時、右側通行が左側通行に切り替わるなどいろいろな混乱があったのだが、それが日本中となると設備からなにから全部変更しなければならない。そのあたりがどうなるかは非常に微妙なところ。だが、今のアメリカを見ている感じでは、高速道路はほとんどが無料になるかもしれない。
次に制度。今の日本は多額の借金を抱えている国家だが、それがアメリカとくっつくといろいろな意味で余裕ができる。ということで税金などの制度に関しては現在よりも緩くなる可能性が高い。
今の自衛隊は、おそらく米軍に吸収され『軍隊』になるであろう。そのあたりは『平和主義』を唱える人にとっては辛いところである。
そしてひとつ、非常に重要なことがある。大統領選挙。
現在のアメリカの大統領選挙は、『選挙人制度』という独特の方法で行われている。
これは、各州に人口に比例した人数の選挙人が割り当てられていて、その州の投票数が多かった方の候補者にその州の選挙人全員分の票が入るというもの。
おかげで、選挙人の数が多い州ほど候補は力を入れる。なぜならそこの州で勝利すれば一気に優位に立つことができるからである。
これで、もし日本がアメリカの『51番目の州』となったらどうなるか。これは皆さんもうお分かりであろう。
日本の人口は、現在のアメリカの人口の約半分である。
これが合併すると、『日本州』の人口は、『アメリカ』の全人口の約1/3を占めることになる。
早い話が、選挙人の数も全体の1/3を占めるということになる。
これはどういうことか。
つまり、日本人が多く投票したほうの候補者に、全体の50%という勝利条件のうちの33%を一気に取ってしまうことになるということであり、日本人がより支持するような政策をとると言った候補者が有利になることであり、


場合によっては世界の大国アメリカが太平洋の隅っこにある日本という小さな島国の黄色人種仏教徒によって牛耳られてしまう


ということである。あーおそろし。