素晴らしきあまるべロマン号

朝は4:40に起床。まだ日の出前で、外は暗い。
冬ならともかく、こんな夏の時期に日の出前に起きたのは、旅行中の夜行列車とかを除くと多分小学校の修学旅行で夫婦岩の朝日を見るために早起きした時以来かも。
一通り用意をして家を出る。まだ朝は5時半前。街は静まり返っています。
早朝の苦楽園口駅
いつも使っているこの出入り口も、営業は6:10からなので今はまだ閉じています。窓口もまだ閉まっていました。
そして甲陽線で夙川まで行った後、西北発の始発の新開地行き特急を見送り、梅田まで先着の普通に乗って西宮北口へ。
そこで今津線に乗り換えて、門戸厄神で台氏(仮称)と合流。
外はだんだんと明るさを増してきていますが、電車は遮光幕を下ろし、少ない乗客を乗せて宝塚へと走って行きます。
空は朝なのに街はまだ真夜中のように静まり返っている、この不思議な感じは大好きですし、こういう時にしか味わえないものだったりもします。
そして宝塚に到着した後は、JRの宝塚駅まで行き、青春18きっぷを出して入場。始発の福知山行きを待ちます。
6:26。福知山線の始発列車である福知山行きの113系4両が到着。途中駅からの乗車になるので、18期間ということもあって乗車率が結構気になるところでしたが(特にご老人にとっては朝早い時間帯など何のことはないわけで)、思ったよりも空いていて問題なく2人座れました。
30Nの113系に乗って目指すは福知山。前は大阪から福知山までの2時間半がひたすら長く感じられたものですが、もう自分にとっては福知山は半ば『庭』みたいな扱い。気がつけば福知山に着いていました。
ここからは、篠山口で我々をいつも出迎えてくれるサンパチに乗って豊岡を目指します。
2両ということもあってそこそこの乗車率。ボックスにはそれぞれ2〜3人掛け、ロング部分にもだいたい1人ずつは座っているぐらいの感じ。車端部ということもあってかなりのジャンピングっぷりを楽しませてくれましたが、わずか1時間ほどで豊岡に到着。まだ時刻は朝の9時半前。普段の休日ならまだ寝ているかもしれないうちに、もう裏日本に到着してしまいました。
113系3800番台@豊岡
反対側にはキハ47系も停まっていたんですが…なんとこれがトップナンバー。
キハ47-1@豊岡
キハ47系播但色@豊岡
いや〜朝一番からなかなか面白いものが見れました。
で、ここで1時間近く時間があるので駅前に出てみることに。
豊岡駅
これが豊岡駅。一見するとこじんまりとした地方の駅という感じに見えますが、これを撮っている後ろにはちょっとした商業施設の集まったビルやら町並みやら大通りやらがあって、それなりの『地方都市』っぷりが出ていていい雰囲気でした。コウノトリ支援の自販機もあったり。
まぁ、他にすることも特にないので再び駅の中へ。
特急タンゴエクスプローラー@豊岡
豊岡始発のタンゴエクスプローラー。たったの2両。
さらに時間があったので、朝食をまだとっていないという台氏(仮称)と一緒に駅の立ち食いうどんを。
うどん@豊岡
まさしく『うどん』。シンプルイズベスト。ぶっちゃけそれほど栄えている感じもなかったし全くといっていいほど期待していなかったんですが、ダシもちょうどいい具合だったうえに麺もほどよいコシがあって、良い意味で期待を裏切られた感じ。
ついでにここで昼食の駅弁も調達し、いつの間にか入線してきていた今日のメインイベント、快速あまるべロマン号を撮りに行く。
豊岡駅にて
快速あまるべロマン号@豊岡(その1)
元の姿を残しているほうの顔の連結部分。ちとマニアックですが。
快速あまるべロマン号車内(その1)
車内。確かこのクロスシートは0系の廃車発生品を使ったものだという話を聞いたことがあります。
快速あまるべロマン号@豊岡(その2)
キハ65系を改造したこの車両、先頭車は展望シートになっていてこの雰囲気はどこかジョイフルトレイン風。0系を彷彿とさせる柔和なデザインも個人的には好みだったりします。
そして、全車指定席のこの列車ですが、自分たちが座る場所はココ。
快速あまるべロマン号車内(その2)
なんと先頭4列の展望シート。発売日当日に買いに行ったわけでもないのにあっさり取れてしまいました。これはなかなか良い眺めですな。
そして4両編成の臨時快速『あまるべロマン1号』浜坂行きは心地よいディーゼル音を響かせながら発車。豊岡を発車した時点ではまだガラガラです。
架線のある区間を走り、玄武洞を通過。そしてこれまた馴染みのある城崎温泉駅に到着。早速ですが、ここで北近畿1号からの接続を待つためかなり長い時間停車します。
快速あまるべロマン号@城崎温泉
先頭では、車両を入れて記念撮影している親子連れもいたりして至ってまったりムード。殺伐としてなくて良かった〜。
そして、サンパチの後に北近畿も遅れて到着。さっきはガラガラでしたが、さすがにここからはそれなりに人が乗っていて車内はそこそこの乗車率に。それでも『そこそこ』でしたが。
城崎温泉を発車すると、ここからはとうとう非電化区間気動車の本領発揮です。
もともとは特急エーデル鳥取などに使用されたこの車両。どこか車内にはくたびれ感もあるものの、この眺めの良さとまったりした居心地の良さはたまりません。普通に特急料金を払ってでも乗る価値はありそうなものです。
途中、車掌さんが回って来たので検札かと思いきや、記念のオレンジカード売りでした。もちろん、せっかくの機会なので1セット購入。てか、この車掌さんってもしかして福知山から豊岡までサンパチに乗務してた車掌さんと同じ人!?
山の中を通り、トンネルを抜け、海のそばを通り、駅のホームに巨大なカニのツメの模型が置いてあることで有名な香住駅を過ぎるとあっという間に以前ドラマの撮影にも使われたという眺めの良い海沿いの駅、鎧駅を通過します。
鎧駅通過中
そしてここを通る時にアナウンスがあったんですが、それによるとあと2つトンネルを通過した後に餘部鉄橋があるそうです。
1つ目のトンネルを通り、まもなく2つ目を通り、それを抜けると…
海沿いの長いトンネルを抜けると、そこは空中だった。

餘部鉄橋通過中。ここの区間を走るのは基本的にキハ40系列とはまかぜだけなので、これだけ素晴らしい前面展望を味わえるのはこの列車だけ。ここは何度か来ていますが、やはり何度来ても空中に浮かんでいるかのような感覚です。
さすがにアクセスや天気が悪かったからなのか、いつもの『お立ち台』ではまだ数人がカメラを構えているだけでした。
ここで降りる人もいて、一通り乗降が終わった後は再び発車。ここから終点浜坂まではわずか10分程度です。
というわけで、あっという間に終点・浜坂駅に到着。
浜坂駅パタパタ
今ではすっかり貴重となってしまった、国鉄時代の香りを色濃く残すパタパタ。臨時快速表示もともかく、この手書き感あふれる『香住行』の文字がなんともよろしいです。
そしてここで改札を出て、外に行ってみる。豊岡と比べると非常にこじんまりとしたところで、海の幸などを売っている店もありました。
そして駅舎はこんな感じ。
浜坂駅
時間がなかったので駅に戻り、鳥取行きの列車を待つ。ここには新型軌道車のキハ121系とかも走っているんですが、今回は何が来るのかと思いきや…
キハ33系@浜坂
なんかキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
これは使い道がなく短命で引退した不運の客車50系を無理矢理気動車に改造した車両。日本中でわずか2両しか存在しません。
鳥取〜浜坂間の輸送に主に使われているという話は聞いていましたが、さすがにちとビックリ。もちろん迷わずそっちに乗車。
そして隣のホームには豊岡で見送ったキハ47系のトップナンバー、さらに隣には臨時快速というとんでもない組み合わせ。
キハ33系&キハ47-1&あまるべロマン号@浜坂
これはすごい。
そして、少し変わったエンジン音を響かせながらキハ33系は頑張って走ります。
もともとが客車ということもあって、50系なので車体の幅も狭いし、乗り心地もなんとも素朴。惰性で走っている時にはさらに客車チックになってきます。
で、そこでさきほど買った駅弁を食す。ようやく昼になりました。既に朝起きてから7時間以上が経過してたりもしますが。
かにずし
これが今日の昼食。かにずし。
こういうのは駅弁大会とかに出てくるとやはり保存とかの観点から酢が強くなるんですが、現地販売ならそんなこともなく、美味しく頂けました。
途中、上郡のほうから来たという人にいろいろ話振られたのでいろいろと話す。
そして、鳥取に到着。架線がないのに高架駅。この駅やっぱり素敵です。
鳥取駅
鳥取からは因美線に乗るわけですが、せっかく鳥取に来たなら砂丘にも行きたい、というわけでバスで砂丘を目指します。なぜかさっきの上郡の人が、伊右衛門ポカリスエットを買って持って来てくれました。なんとなくあの人のノリがあのうちの内輪では超有名なオ○タカヒコ氏(仮称)に似ているなぁと話をしていて、そこでポカリスエットを持ってくるとはなんとも空気を読んでます。まぁこれは後から気がついたことだったりしますけどね。てかまた内輪ネタでした。。ちなみに彼はこれから倉吉方面に行くんだとか。自分にとっては小1の時の急行『砂丘』廃止以来の砂丘訪問ですね。
そして20分ほどで砂丘のところに到着して、せっかくなので梨シェイクみたいなのを売っていたので買ってみる。
梨シェイク
それを片手に飲みつつ鳥取砂丘の砂のところへ上陸。
鳥取砂丘にて(その1)
見ろ!人がゴミのようだ!


とにかく広い、広い、広い。前に乗ったラクダもちゃんといました。
砂漠っぽいところにこんな曇り空はちと似合わないんですが、まぁそれのおかげで地面がやたら熱くならずに済んでるのでまだいいかな?
次に乗る列車のためのバスの時間の都合で、ここから海の近くの砂の丘まで20分弱で行って帰ってくることに。大丈夫かいな。
こういうのは降りるのは楽なんですよね〜。しかし登るのは地獄。砂に足をとられてかなりしんどい。ですが、スキー板を履いて坂を登る時みたいに逆八の字形に足を開いて歩くとしっかりと地面をつかめて歩きやすいことを発見。これは使える。
そして、さっきの写真の向こう側に見えている丘の上に到着。見ろ!自分がゴミのようだ!!
そこからは思いっきり海岸が見えたりするんですが、そこまでの砂の斜面が軽く35度ぐらいはありそうな『崖』。これは怖い。
鳥取砂丘にて(その2)
写真ではこの感じがうまく伝わらないのが残念。
さらには、うまい具合に地上絵や文字を書いている人もたくさんいました。
鳥取砂丘にて(その3)
鳥取砂丘にて(その4)
それにしてもすごい景色ですね〜。ここに来ると、自然に対して人間がいかに小さい存在であるかというのがよく分かる気がします。
そんな感動にふけっているのも束の間、帰りのバスの時間があるので残りわずか10分でバス停まで戻らなければなりません。これは大変。
かなり本気で急ぎましたがなかなか前に進まない。うわぁこれはしんどい。なんかこのしんどさはいつしかのブルダックス(仮称)の体育並みですね。。
それでもなんとか間に合い、ループ麒麟獅子とかいう観光ループバスに乗り込む。
ループ麒麟獅子
土日や行楽期のみ走る観光用のバスというわけあってちょっと独特の感じで、車内では放送でガイドやその場所にまつわる歌なども流れていました。
で、再び20分ほどで鳥取駅に到着。ここで梨ドリンクを買って、因美線に乗り込む…はずが…!?
なんと予定していた列車がない。え?なんで!?と思ったら、ちょっと時刻表がややこしいことになっていて、間違えて反対向きの列車を読んでいたというミスをしていたことが発覚。どうりで智頭での接続がやたら悪いわけだ。。
そういうわけで、実は砂丘で無理して急ぐ必要など何もなかったということでなんか骨折り損みたいな気分なんですが、まぁ駅前で梨ドリンクを飲んだりおみやげを買ったりしてのんびりできたのでまぁ良かったかな?
さらに、駅前で子供のいじめをなくそうみたいなビラを配っていた人に記念写真を撮ってもらえました。
で、時間も近づいて来たのでホームへ。
キハ121系@鳥取
今回は乗れなかったものの、JR西日本が地元に金を出させて作ったというキハ121系も撮れました。
特急スーパーまつかぜ@鳥取
こちらは特急スーパーまつかぜ。相変わらず金太郎飴みたいな車両。
そして見慣れたスーパーはくとを見送り、自分たちが乗る列車が入線。キハ47系タラコ2両で、前は更新車で後ろは原型。もちろん原型のところに乗る。
しばらくするとゆっくりと高架の線路にディーゼル音を響かせながら走り出しました。
途中、交換待ちやらもありつつ郡家駅に到着。ここでも交換待ち。
キハ47系首都圏色@郡家
まずは乗っている列車から。
若桜鉄道さくら4号@郡家
続いて隣のホームに停まっていたこの車両。少し前まで『日本で一番安い初乗り運賃』を設定していた若桜鉄道の車両。
特急スーパーはくと@郡家
そして向こうからやって来たスーパーはくと。いつも住吉駅の近くでこの列車同士がすれ違う光景をよく目にしてはいるんですが、非電化区間で見るこの車両にはまたいつもとは違った良さを感じます。
再びタラコに乗り込んだ後は、客も減って来たので台氏(仮称)の提案で少し窓を開けてみる。ちゃんと下の窓が開くあたりが原型の魅力。
外は結構涼しく車内と気温はほとんど変わらないくらいで、風に当たっているとなかなか気持ちよかったです。やっぱり窓開けは最高の贅沢ですね。
しかしそれも気がつけば終わり、終点智頭に到着。ここで岡山更新色のキハ120系に乗り換え。
キハ120系岡山色@智頭
ここからは因美線の中でも最もローカルな区間で、外国人株主のエゴによって不要な20km/hとか15km/hの制限が多発している路線。
鳥取県を抜け、峠を越えて岡山県へ。だんだん空も晴れ間が見えるようになってきました。
山の中、田んぼの中をトコトコと走るレールバス。これはこれで、なかなか悪くはないものなのかもしれません。
わずか1時間ほどで終点・津山に到着し、ここで再び乗り換え。
この駅も昭和のかほりをほどよく残している雰囲気のある駅で、そこに停まっていた姫新線の新見行きのキハ47系はごんちゃん号のヘッドマーク付きでした。
キハ47系新岡山色ごんちゃん号HM@津山
とはいっても自分はこれから姫新線で新見に行くわけではなく、津山線の快速ことぶきを使って岡山に向かうことになります。
キハ47系新岡山色@津山
来たのはキハ47系。良かった良かった。
ボックスを2人で占領し、停車駅の少ないこの列車を楽しみながらトコトコと坂を下って行きます。
この路線、ローカル線としては結構特殊な部類で、大学生の利用の多い法界院駅まで一駅だけの列車がラッシュ時に設定されていたり、始発の新幹線や最終の新幹線に接続した列車も設定されているため津山駅は朝かなり早くから夜相当遅くまで発着する列車があったりする、地方の都市間輸送路線。
そういうわけでこの快速もその方向を意識しているのか、停車駅は至って少なく快調に飛ばして行きます。
心地よいディーゼル音と周期的な揺れが眠気を誘ってきます。気がついたら少しうとうとしていたのかも。
途中、旭川から霧が立ち上っている光景にも出くわしました。
霧の旭川
とってもリラックスしたまったりムードを楽しんで、終点・岡山に到着。
夕食はここで食べることになったんですが、ちょうどいい店が案外少ないので今日はラーメン屋に。しかしこのラーメン屋、京都に本店を置くラーメン屋だったり。そういえば中2の鉄研旅行で高知で喜多方ラーメンを食べたこともあったなぁ…とふと思い出しました。
そして、自分が注文したのがこの『宝ラーメン』。
宝ラーメン
豚骨味なのに比較的あっさりしていて、具もたくさんのっていてなかなか美味しかったです。
で、本来ならばここでさぁ関西に帰ろう、となるところですが、明日は四国を回るということで今日は自分が昔住んでいた岡山の家に泊まることに。いや〜こういう時に便利ですねここは。とかいいつつも関西に近すぎて普段あまりそういう用途に使うことは少ないんですけどね。
しかし、今住んでる家ならともかく、友達の家に泊まりに行ったり来たりする習慣がなかった自分としては、実はこの岡山の家に誰かを呼んで止めるのは初めてなんですよね〜。いやはや案外驚き?
そういうわけで、6両の赤穂線の日生行きで東岡山まで行き、迎えに来ていた父親の車で家まで帰ってゆっくりしましたとさ。
まぁ、日記を書いてるといろいろとまた思い出すわけですが、なかなか濃い・楽しい一日でした。

車番・乗車距離

苦楽園口〜夙川:阪急甲陽線・普通/夙川、6120
夙川〜西宮北口阪急神戸線・普通/梅田、7107
西宮北口〜宝塚:阪急今津北線・普通/宝塚、3105
宝塚〜福知山:福知山線・普通/福知山、モハ113-7081(30N)
福知山〜豊岡:山陰本線・普通/豊岡、クモハ113-3815
豊岡〜浜坂:山陰本線快速あまるべロマン1号、キハ65-17
浜坂〜鳥取山陰本線・普通/鳥取、キハ33-1001
鳥取〜智頭:因美線・普通/智頭、キハ47-41
智頭〜津山:因美線・普通/津山、キハ120-340
津山〜岡山:津山線・快速ことぶき/岡山、キハ47-1128
岡山〜東岡山山陽本線・普通/日生、クモハ115-1504(30N)
●乗車距離(1日):381.2km